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好素材揃う「大谷・藤浪世代」 闘志むき出しのヤンチャ系右腕・生田目翼

各リーグで活躍が目立ち、プロ球団スカウトからも熱視線が送られる大学3年生の好選手たち。「大谷・藤浪世代」とも言えるこの世代には、無名ながらもじっくりと力をつけてきた選手たちが多く存在する。

2015/05/04

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高木遊



小さな腕の振りから150キロの快速球

「よっしゃあ!!!」
 1勝1敗で迎えた王者・創価大との3回戦。勝ち点制の大学野球だからこその緊張感が漂う中、闘志むき出しのやや小柄な右腕は試合中、ピンチを脱する度に雄叫びを上げ、これまで41週連続勝ち点獲得と東京新大学リーグで無敵の強さを誇っていた創価大の前に立ちはだかった。

「緊張でどうしても足に力が入らなかったのですが、途中から“もう、どうでもいいや”って(笑)。それでテキトーに投げていたら9回まで行っちゃいました」と試合後にいたずらっぽく笑ったのは流通経済大のエース・生田目翼(3年・水戸工)。「なばため・つばさ」と読む。
 4月25日から27日にかけて行われた創価大とのカードで2勝2完投という好投を見せ、創価大から勝ち点を奪取。今季、開幕から4連勝(2015年4月末現在)と大車輪の活躍で、野球人生初となる全国大会出場をグッと近づけた。
 
 身長174センチと決して大柄ではないが、創価大3回戦で球速149キロをたたき出すなど、力強いストレートが最大の武器だ。敵として戦う東京国際大・古葉竹識監督(元広島東洋カープ監督)は「腕の振りが小さいのにストレートが速いから、打者は通常より何テンポか早くタイミングを取らないといけない」とその攻略の難しさを語る。

 また今年から、日本通運時代に投手コーチとして牧田和久(西武)や武田久(日本ハム)ら7名もの投手をプロに送り込んだ玉田淳氏が流通経済大のコーチに就任。

「力だけじゃなくて、柔らかさもあります。(もともとはあまり練習するような子じゃかったそうですが)今は一生懸命やっていますよ。段々と自覚が出てきたんじゃないですかね」と話すように、その潜在能力に、自覚が伴うようになり体力強化に成功。ストレートに力強さが増し、変化球も得意としていたスライダーに、玉田コーチ直伝のフォークなどが加わり、投球の幅も広がっている。

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