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木更津総合、育成功労賞の五島監督に華添える勝利「人のために頑張ると力が出る」【全国高校野球】

2018/08/15

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Kana Yamagishi



<第11日 第2試合 2回戦 ○木更津総合7―0興南●>
 
 第100回全国高校野球選手権記念大会は15日、阪神甲子園球場で第11日を迎え、第2試合では木更津総合(東千葉)が興南(沖縄)に7-0で勝利し、2年ぶりの3回戦進出を果たした。
 
 木更津総合はまず守備でリズムを作る。1死一、二塁から興南の塚本大雅(3年)が右前安打を放つも、ライト・太田翔梧(2年)が好返球でホームで捕殺。この好守備を攻撃にもつなげ、直後の2回に大曽根哲平(3年)のタイムリー安打によって1点を先制した。
 
 さらに木更津総合は、5回に1番の東智弥(3年)がレフトスタンドへソロ本塁打を放ち、2-0とリード。追う興南に対しては、5回の守備で2死二塁のピンチを迎えるも、塚本の中前安打でホームを狙う二塁走者を東の返球によって再び捕殺。反撃を許さず試合を優位に運んだ。
 
 試合はそのまま終盤7回に入り、木更津総合は神子瑞己(3年)のタイムリー安打で1点を追加。5-0と5点リードの9回にも神山のタイムリー二塁打で2点を追加した木更津総合は、先発の野尻幸輝(3年)の後を受け8回途中からリリーフした2番手の根本太一(2年)が、興南の7番から始まる攻撃を無失点に抑えて7-0で勝利。2016年以来2年ぶり3回戦進出を決めた。
 
 試合後、木更津総合の五島卓道監督は、接戦から終盤の猛攻で突き離した戦いぶりについて「この勝ち方しかないと思っていた。理想的な展開だった」と振り返った。また、初回の太田の好返球について聞かれると、「あれが相手のペースを崩した。いつも良いバックホームを投げる選手なので期待はしていたが、まさか本当にやるとは」と驚いたという。
 
 8回途中まで無失点と粘り強く投げた野尻に関しては、「出来としてはそんなに良い方ではなかったが、丁寧にウチの持ち味である粘りが出せた。前半は塁上に相手の選手ばかりがいたので、よく耐えた」とこの甲子園から背番号「1」を付けるエースを称えた。
 
 そして攻撃面では、5回に飛び出した東の本塁打を絶賛するとともに、相手左腕に対して右打者にバットを短く持たせセンターから逆方向を狙わせたことにも言及。「いつも左投手を攻略する時はこういう感じでやっている。下位(打線)は力がなく速い球に振り負けてしまうので、『シャープにいこう』と伝えた」と見事にハマった狙いを語った。
 
 また、試合前には五島監督自身の育成功労賞のセレモニーもあり、選手たちが盛り上げて勝利で花を添える形に。指揮官は「あんまり僕のためにはいいとは思っている」と謙遜しながらも、「人のために頑張ることは、自分だけ頑張るよりももっと力が出る。監督思いの選手たち」目を細めていた。
 
 一方、打っては本塁打、守っては好返球で興南に得点を許さなかった東は、「野尻が頑張っていたので、自分が本塁打を打って貢献できて嬉しい」とコメント。「甲子園に来てからも良い状態が続いている」と話し、走者を刺したバックホームについては「捕球した時に下が濡れていて滑った感じがしたので大丈夫かなと思ったが、ボールがしっかり伸びてくれた。(初回に)太田が好返球を見せ自分も黙っていられないと思った」と同じ外野手への対抗意識を燃やして生まれたプレーを振り返った。
 
 そして、最後には「一昨年の早川投手を擁した時のベスト8を超す勢いで頑張っていきたい」と今後の躍進も誓っていた。