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4番・エースで背負った連覇への重圧。花咲徳栄・野村、必死のヘッスラ「力出し切った」【全国高校野球】

2018/08/14

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Kana Yamagishi



<第10日 第3試合 2回戦 横浜8-6花咲徳栄>
 
 9回裏1死満塁、野村佑希は打球にちらりと目をやると一塁へ頭から飛び込んだ。ピッチャー方向への弱い打球は内野安打となり、逆転への望みをつないだ。
 
 昨夏の優勝を経験し、4番・エースとして迎えた今年の甲子園。昨秋、新チームになってから連覇へのプレッシャー、チームの要としての責任で苦しい1年を過ごした。
 
 盤石の試合運びで勝ち上がった地方大会とは一変、甲子園は初戦から苦戦を強いられた。鳴門(徳島)との1回戦は7回終了まで4点を追う展開。終盤の集中打でなんとか逆転勝利を果たした。
 
 そして横浜(南神奈川)との2回戦を迎えた。野村は初回、最初の打者を三振に取って三者凡退に抑えた。本人も「いいスタートを切ったと思った」と振り返るが、3回に横浜打線が野村の球を捉え始め、4回に連続安打や悪送球、死球などが絡んで一挙6失点を喫した。
 
「甘い球を投げてしまって、流れがいってしまった」と野村は反省の弁を口にした。
 
 4回途中から中田にマウンドを譲り、ファーストの守備についた。1-7で迎えた6回裏、野村に2ランが飛び出し、7回にも1点を追加した花咲徳栄。徐々に横浜との点差を詰めた。
 
 9回裏、野村は必至のヘッドスライディングでスコアを5-8に持ち込んだ。さらに押し出し死球で2点差としたが、最後の打者は空振り三振に倒れた。
 
 昨夏覇者の2回戦敗退。野村は「去年は勝って終わって、今年は負けて悔しい」と目を赤くしたが、「力を出し切った」と語った。
 
“自分を成長させてくれる場所”。甲子園をそう表現した野村は、「ピッチャー・4番で出て楽しかったです」と語った。
 
 
取材・文 山岸佳奈