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王者振り切った横浜高、バッテリーが強気の内角攻め貫く「最後までひるまなかった」【全国高校野球】

2018/08/14

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Kana Yamagishi



<第10日 第3試合 2回戦 ○横浜高8―6花咲徳栄●>
 
 第100回全国高校野球選手権記念大会は14日、阪神甲子園球場で第10日を迎え、第3試合では横浜高(南神奈川)が前回王者の花咲徳栄(北埼玉)を下して、5年ぶりの3回戦進出を決めた。
 
 昨夏王者で初戦で逆転勝ちを収めた花咲徳栄と、20年ぶり夏制覇を目指す横浜高。優勝候補同士の注目の一戦は序盤から目まぐるしく動く。
 
 花咲徳栄が韮沢雄也(2年)のタイムリー安打で先制すれば、横浜高も3回に河原木皇太(3年)のタイムリー安打で同点に追い付く。
 
 そして続く4回、横浜高が猛打を奮う。まず角田康生(3年)のタイムリー安打で勝ち越しに成功すると、さらに花咲徳栄の先発・野村佑希(3年)を攻め立て、遠藤圭吾(3年)、河原木、斉藤大輝(3年)にもタイムリー安打が飛び出し、守備のエラーも絡んで5点を追加。この回一挙6得点を挙げて7-1とリードを広げた。
 
 花咲徳栄は、スコア1-8の6回に野村が横浜高の先発・及川雅貴(2年)から意地の2ラン本塁打を放ち5点差とすると、7回には橋本吏功(2年)もソロ本塁打を放ち4-8と4点差。ここで横浜高は投手を板川佳矢(3年)にスイッチし後続を断ち切る。

 しかし9回、再び花咲徳栄が驚異の粘りを見せた。1死満塁から野村のタイムリー内野安打、倉持賢太(3年)の押し出し死球によって2点差に迫る。それでも、横浜高は3番手・黒須大誠(2年)が制球に苦しむ中で、最後は井上朋也(1年)を空振り三振に抑え最終スコア8-6で勝利。2回戦を突破し、2013年以来5年ぶりとなる3回戦進出を果たした。
 
 横浜高の平田徹監督は、試合を終えて「楽な展開はあり得ないと考えていたが、終盤の粘り、改めて去年の優勝も含めて花咲徳栄高校に敬意を表したい」と話し、9回の一打逆転サヨナラまで考えられたシーンについては「状況的には腹をくくるしかないと。とにかく選手を信じて、縮こまらないで思い切りやってほしいと思っていた。最後のボールもよく黒須が腕を振ってくれた」と2年生右腕の力投を称えた。
 
 そして、死球を与えても内角を攻め続けた黒須には、試合前に「インコースを使わないと絶対に抑え込めない」と話したといい、「死球もあったが、最後までひるまずしっかりインコースを攻めてくれた。黒須も良かったし、(捕手の)角田も強気のリードをしてくれて、最後まで貫いた」と強打の花咲徳栄打線を最後は振り切ったバッテリーの意思の強さに賛辞を惜しまなかった。
 
 また、打撃面で6得点が生まれた4回に話が及ぶと「(野村は)好投手なので、簡単にはいかないとは思っていたが、そういった中で各選手がバットを振る勇気を持ってくれた。鮮やかな集中的な攻撃ができたと思う」と今大会投打で注目された花咲徳栄の先発・野村を2巡目で攻略した打線を評価。「大いに自信にして次のゲーム以降も戦っていきたい」と次戦への意気込みを語った。
 
 激闘をくぐり抜け20年ぶりの優勝をねらう横浜高の次戦は、大会第13日の第2試合。相手は、この日の第2試合で2試合連続の完投勝利を収めた吉田輝星(3年)を擁する金足農(秋田)となっている。