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東北屈指のスラッガー・石垣雅海(酒田南)。自身初の甲子園出場へ「去年の倍くらいホームランを打ちたい」【2016年夏各地区逸材ファイル6】

酒田南(山形)に「スラッガー」という言葉がぴったりの打者がいる。1年春からレギュラーとして試合経験を積む石垣雅海選手だ。3年春の県大会終了時点で放った高校通算本塁打数は30本。この夏、山形の夏空に何本のアーチを描くのか。

2016/07/05

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憧れは柳田悠岐、目標は山田哲人

 ポジションは転々としてきたが、1年秋から4番打者としてスイングを磨いてきた。「振り込む時間が増えたことで打撃がアップしたと思います」と石垣。以前は守備重視のチームだったが、昨春、鈴木剛監督が就任してからは打撃練習が多くなった。

 それでも、昨年は空振りが多かったため、冬場は木製バットで打撃練習を行い、芯で捉える感覚を養った。また、右股関節を左股関節にぶつけるようなイメージで腰を回転させることでスイング軌道もブレにくくなったという。1日最低1000スイングを自らに課し、やり遂げると「春先から打率を残すことができ、空振りも少なくなった」と手応えをつかんで、シーズンを迎えたのだった。

 石垣に理想の選手を訊ねたことがある。すると、「憧れは柳田選手で、目標は山田哲人選手」と答えた。

「フルスイングをしながらもしっかりと率を残せるところがすごい」と、ソフトバンク・柳田悠岐に憧れを抱き、「バットのしなりを使っているスイングがきれいで、技術面で学ぶことが多い」とヤクルト・山田哲人を目標としている。2015シーズンにトリプルスリーを達成した2人の特徴と自分のタイプを分析し、「どちらか」でも「どちらも」でもなく、理由を述べて2人の名前を挙げた。
 
 高校生に個人の目標を訊いても明確な答えが返ってくることは稀なのだが、石垣は「ホームランを打ちたい、去年(の山形大会)は2本だったので。集大成でもありますし、去年の2倍くらいは打ちたいですね」なんて、気持ちがいいくらいにサラリと言ってのける。「自分が一番、経験しているので、先陣を切って打たないとチームは活気付かないと思います」とも話し、夏に向けて準備に抜かりはない。

 まだ甲子園の土を踏んでいない。レギュラーとして迎える3度目の夏。そして、「地元から甲子園」のラストチャンス。

 石垣は山形の夏空に何本のアーチを描くことができるのか。まだ見ぬ夢舞台はフルスイングに乗った白球の先で待っている。

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