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東邦ガスの初優勝に終わったJABA静岡大会。U-23W杯日本代表の有力候補の活躍にプロも注目【横尾弘一のプロへつながる社会人野球】

4月5日から10日まで浜松球場、静岡草薙球場で第63回JABA静岡大会が開催された。

2016/04/15

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グランドスラム



高卒2年目が躍動した東邦ガス

 今年はヤング世代の世界決戦が開催される。2014年に台湾・台中市で第1回が実施された21Uワールドカップの第2回大会が、今年6月に行われる予定だった。しかし、大会のカテゴリーが見直されて23歳以下となり、第2回WBSC U-23ワールドカップ(以下U-23W杯)として10月28日から11月6日にメキシコ・モンテレィで熱戦が繰り広げられる。

 前回、全勝で決勝に進出したものの、チャイニーズ・タイペイに完敗で準優勝に終わった日本は、プロを中心に、社会人と大学生も加えた混成チームで世界一に挑む予定だ。

 ただ、社会人は日本選手権、大学生は神宮大会と日程が重なっているため、代表選手は両大会に出場しないチームから選出することになっており、「世界を舞台にプレーしたいが、チームで負けるわけにもいかない」と、候補と目される選手たちはやや複雑な思いを抱えている。

 とはいえ、社会人には有力候補が目白押し。そんなイキのいいヤングパワーが、4月5日から10日まで浜松球場、静岡草薙球場で開催された第63回JABA静岡大会で目立つパフォーマンスを披露した。

田中空良

 初優勝を飾った東邦ガスでは、高校出2年目コンビが躍動した。鹿屋中央高3年時に夏の甲子園初出場に導いた左腕・七島拓哉は、リーグ戦第2戦でHonda鈴鹿を完封。この好投がチームを波に乗せると、準決勝では豊川高3年春に甲子園初出場でベスト4進出の原動力となった田中空良が先発する。昨夏の都市対抗4強の王子を相手に、毎回のように安打を許すも要所を抑える投球で、7安打されながらも97球で完封勝利。この二人の活躍に刺激されたベテラン・水田 裕が、決勝では三菱自動車岡崎をシャットアウトし、大会を制して日本選手権の出場権を手にした。

 つまり、七島と田中はU-23W杯の出場は難しくなってしまったわけだが、昨年は都市対抗、日本選手権とも予選で敗退したチームをグンと押し上げる働きは見事だった。

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