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【16年ドラフト候補の主将】プロ注目の大型遊撃手、中央大・松田進。名門復活と自身の夢の成就へ

今春に打率.349、3本塁打を記録するなど強打の大型遊撃手として、プロ野球球団スカウトから大きな注目を集める松田進。自らの夢であるプロ入りと、名門復活への決意を力強く語った。

2015/12/29

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高木遊



あの挫折があったから

「練習が終わってから、ずっとポール間を走ったり、スイングも振って振ってという感じですね。数ではなく、ヘトヘトになるまでやりました」

 今やドラフト候補の大型遊撃手(身長187cm)として、プロのスカウトたちから熱視線を浴びる松田進(まつだ・しん)は、「あの頃があったから、良い形で自分に向き合えて、野球に対して真摯に取り組めているのかなと思います」と当時の大きな挫折が今につながっていると振り返った。

 国学院久我山高時代は、1年秋に2本塁打12打点の大活躍でチームをセンバツ出場に導くと、名門・中央大でも1年春から遊撃手のレギュラーを獲得した。
 しかし、そのシーズンに打率.226、3失策と大学野球の壁にぶつかる。1年秋には10打数0安打、2年春には4打数1安打という記録しか残せず、ベンチを温める日々が続いた。

「試合をずっとベンチで観ているという経験が初めてでした。“自分ならこうしたのに”と思っても自分では何もできず、声をかけるしかできませんでした。やっぱり自分がチームの力になるためには、試合に出なければいけないと痛感しました」

 その状況を打破するには練習しかなかった。

「(その時期に)無心で野球に取り組んで、野球に対する情熱がより増しましたね。苦しい時でも楽しい気持ちの方が勝っているから、ここまで野球を続けてこられているんだと再認識しました」と日々の練習でもがき続け、手応えを掴んでいった。

 2年秋にはレギュラーの座を取り戻し、3年春には打率.349、3本塁打と大活躍を遂げた。取材当日もインタビューの直前まで、清水達也コーチと居残り練習を行うなど、一度ついた向上心の炎は、時を経るごとにどんどんと強くなっている。

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