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ヨーロッパに初のプロ野球リーグ誕生へ ユーロリーグベースボールの挑戦と課題

サッカーが中心のヨーロッパに、初のプロ野球リーグが誕生することになりそうだ。10月23日に「ユーロリーグベースボール」が2016年4月にスタートを切る見込みだ。その経緯とは、また開幕までにまだまだ課題がある。その現状とは?

2015/10/29

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EURO LEAGUE BASEBALL



これまで構想が出ては、度々頓挫してきた

 今ヨーロッパ球界では新しいプロリーグ創設の構想がある。その名も「ユーロリーグベースボール」(以下ELB)。各国のリーグから、上位チームのみを集めたリーグである。

 ヨーロッパではこれまでに同様の構想が度々出るも、各国の足並みが揃わず頓挫。
 それが今回は、2015年5月8日の構想発表から着々と議論を重ねて10月23日の段階で、2016年4月の開幕が決定した。まだまだ前進も後退もあり予断は許さないが、いよいよユーロリーグのスタートが現実味を帯び始めている。

 日本に比べてヨーロッパのスポーツシーンで、野球の位置付けは残念ながら極めて低い。スポーツといえば、やはりサッカー。それ以外にもバスケットボール、ラグビー、日本ではマイナーなハンドボール、クリケットなどもそれぞれ一定のファンを持ち、トップクラブでは毎試合数万人の動員を集める。その中に野球は完全に埋没している。

 野球も少しでも注目を集めるため、欧州野球連盟(CEB)主催のヨーロッパカップが1963年から毎年開催されている。しかし予選が1週間で5試合、そして決勝が最大3試合とあっさり終わることもあり、スポーツファンの注目を集めるまでには至っていない。

 また2008年の北京五輪を最後に、野球が正式種目から外れたことも大きい。各国オリンピック協会からの助成金が減額、リーグ運営を縮小せざるを得なくなった。頼みの綱の企業スポンサーも、2009年のユーロ危機以降、財布の紐が固くなっている。

 そこで、通年のリーグ戦を開催することで露出を増やし、ファン層の拡大から競技レベルの向上へと繋げる方向で各国関係者が一致。いわばヨーロッパ球界最後の砦として、今回のELB構想が立ち上がったのだ。

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