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侍Jはスモール野球をすべきなのか? 強豪揃いのWBC第2次R展望

12日から始まるWBC2次ラウンド。侍ジャパンは、ともにプールBを突破したキューバとともに、プールAを突破したイスラエル、オランダと対戦することになった。相手のレベルが高くなり、より厳しい戦いになることが予想される。ここまで好調な侍ジャパンは、決勝ラウンドに進むために投打でどんな戦いをすべきなのだろうか。

2017/03/12

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勝ち方にこだわらない

 1次Rと同じようなラインアップで望むなら、真っ向から立ち向かう戦い方は、決して間違いではない。一方、スモールベースボールに近い野球を目指すのであれば、メンバー構成を変えるべきだろう。
 
 中国戦にスタメン出場して、攻撃の幅を生み出した田中広輔内野手(広島)や、たったの1打席で結果を出した秋山翔吾外野手(西武)は、攻守両面においてキーパーソンになる。
 
 一方、日本のストロングポイントだと言われている投手陣は、ここへきて調子を上げてきている。先発陣は、石川歩投手(ロッテ)、菅野智之投手(巨人)、武田翔太投手(ソフトバンク)らが上手くゲームメイクし、救援陣もようやく形になってきた。
 
 クローザーを牧田和久投手(西武)にしながら、宮西尚生投手(日本ハム)や秋吉亮投手(ヤクルト)がセットアッパーとして控える。フォークの使い手である千賀滉大投手(ソフトバンク)や、平野佳寿投手(オリックス)、増井浩俊投手(日本ハム)の球は切れているし、松井裕樹投手(楽天)の調子が上がっていることも、プラス材料だ。
 
 とはいえ、ここで陥ってはいけないのが形に固執することだ。
 
 小久保監督はきれいに勝とうとするきらいがある。「今の侍Jの勝ち方はこうだ」と決めたら、その勝ち方にこだわってしまう。リーグ戦では非常に大切なことだが、短期決戦では、勝ち方に美しさなど求めるべきではない。
 
 イスラエルのジェリー・ウェインスタイン監督が「状況によっては、クローザーを、5・6回に投入するときもある」と語っていたが、本当に危ないケースでは、宮西を5回から登板することもいとわずにやるべき。松井の調子がいいだけに、思い切ってできるはずだ。
 
 日本の最大の武器である投手力がここへきて整備されてきたのはかなり明るい材料とみる。選手たちが憧れるドジャースタジアムまであと3試合。4大会連続の決勝R進出をつかみ取ることはできるか。

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