大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



中村稔弥、左のロングリリーフで唯一無二の存在に。先輩右腕の“真似”で「良い感覚が掴めてきている」【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#4】

2021/06/13

text By



「“どんな時でもバッターと勝負できるピッチャー”に」

 日々調子を上げる左腕に今後の課題を訊くと、

「中継ぎなんで、絶対得点を与えたら、失点をしてしまってはいけないと思うので、まずは一球目からしっかりと自分のボールを投げれるっていうところと、ランナーを出してからの投球が自分は少し課題かなと」
 
と答えてくれた。ただこうした課題を見つけても、前述の佐々木千の例のように、他の選手のいいと思ったところをすぐに取り入れて試行錯誤、アップデートできるところが中村稔の強みだ。現に、
 
「この前DeNA戦で今永(昇太)さんが投げていたんですけど、ちょっと意識を訊いたり(しました)。訊いてどんどん試していくことは、自分の中で(意識的に)しています」
 
と、相手チームであっても気になったらすぐに行動に移せている。成長に貪欲な姿勢は、これからの飛躍に一層大きな期待を抱かせるものだ。そして自身が語る理想像へと近づけるだろう。
 
「ピッチャーなんで、調子いい悪いが絶対あると思うんですけど、そのときでも無失点に抑えて、自分から崩れないように、しっかり“どんな時でもバッターと勝負できるピッチャー”に今はなっていきたいです」
 
 
 リリーバーとして、今季は特に、中村稔にしかできない役割を確立し始めているように感じる。この選手がいることで、今後先発投手や後ろを投げる投手にもきっと良い影響を及ぼすだろう。
 
「まあ一番は先発で投げてやりたい気持ちはあるんですけど、やっぱり一軍で投げ続けるっていうのが大切だと思う。一軍でどの立場であっても、しっかりと抑えることができれば、自然と役割のポジションも上がってくると思うので、本当に目の前の一試合一試合の積み重ねが大事かなと思います」
 
 12日、序盤に10得点を挙げ勢いづく巨人打線を見事にかわして試合を作った。「一試合一試合の積み重ね」で、唯一無二の存在となりそうな予感がある。
 
 
取材・文 森田深志

1 2 3