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新“幕張の安打製造機”へ。高部瑛斗が語る手応え「少しずつ自分の形を持てている」 定着すれば大化けの予感も【千葉ロッテマリーンズ・若手選手インタビュー連載#1】

2021/05/10

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千葉ロッテマリーンズの髙部瑛斗外野手は、大卒2年目期待の若手選手だ。今季は開幕1軍をつかみながらも、わずか数試合で2軍に降格。しかしファームで結果を残し、再び1軍へと戻ってきた。4月24日に行われた福岡ソフトバンクホークス戦では、数少ないチャンスをものにし、プロ初本塁打も放った。今季ブレイクが期待される巧打者に、進化の過程を訊く。(ロッテの若手選手にインタビューする企画の第1回)
 

 

「自分のスイングで打てたら」

 ルーキーイヤーは、「後手後手に回ってしまって、思い切ったプレーというものができていなかった」と振り返る高部。

「キャンプ、自主トレはいろんな方の話を聴かせてもらって。でも結局は試合が始まってからの方が、僕の中では大きく得ているものはある」
 
 そう語るのは、実戦を通じてのみ“確認”できることが数多くあるからだろう。
 
 
 オープン戦では3試合という少ないチャンスをものにして三塁打を含む4打数2安打、1盗塁、1犠打と結果を残し、開幕1軍をつかみ取った。しかし、悦びも束の間、2試合で6打席に立ったが快音は聞かれず。3月中に2軍降格を告げられた。
 
 だが、ここからわずか1カ月足らずで再び1軍への切符をつかむこととなる。ファーム公式戦で打ちまくったからだ。
 
 ファームで猛打をふるった陰には、福浦和也二軍ヘッド兼打撃コーチの存在がある。
 
「福浦さんにいろんなアドバイスをいただいたりとか、それを上手く活かせたんじゃないかなと思います」
 
 昨年もファームで打率.344をマークし、優秀選手賞、新人賞、努力賞を受賞した。だが、今季の内容はそのさらに上をゆく。高い打率もさることながら、出塁率、長打率が大幅にアップしているのだ。昨年はファームで200打席に立ち、選んだ四球はわずかに7つ。それが今年は60打席で6四球を選んだ。出塁率は.466にのぼる。
 
「去年は初球からガツガツいってたんですけど、今は打てるボールを待ったりとか、そういうのをイメージしながら打席に入ったらボールも振らなくなって。まだまだなんですけど、出塁率として残せるようには、と思ってやっています」
 
 長打の面でも、長打率が.422から.596に。昨季1本だった本塁打は、すでに2本(ファームのみ)を数えている。
 
「福浦さんに教えてもらって、やっぱりヒットが欲しすぎて自分の形じゃない当てにいくバッティングみたいなのが去年も今年も多くて、それを少しでも改善しようと。『自分のスイングで打てたら』というのを考えていて、そうしたら少しずつ長打も出て、フォアボール(が増えたこと)も、結局それに繋がっているのかなと」
 
 打撃に確実性と力強さが備わってきた高部は、「数はすごい少ないですけど。少しずつ自分の形を持てているんじゃないかなと思います」と手応えを語る。こうして福浦コーチの指導を糧に、1軍へと返り咲いた。

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