大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



ポスト今江は誰? 「ミスターロッテ」の退団で、球団の育成力が問われる2016年

「ミスターロッテ」だった今江が今季限りでロッテを退団する。長年攻守にわたりチームを支えてきた主力選手が抜けることで、戦力は大きくダウンする。一方で若手にとってはレギュラーを奪うチャンスでもある、ポスト今江を制するのは誰か?

2015/11/26

text By



最有力は中村か?

 現時点で今江の抜けた穴を埋める最右翼は、今年1年目にして111試合に出場した中村奨吾ということになるだろう。前述の伊東監督の言葉からもわかるように、彼にかかる期待は相当高く、開幕から1軍に居続けたことで経験から得た生きた情報も脳内にたくさん蓄積されたことだろう。そこにアドバンテージもある。担当スカウトから「10年はレギュラーの心配がない」と言わせた逸材である。これを機に一気に突き抜けても不思議ではない。

 この争いに是非とも加わってもらいたいのは、来季で33歳を迎えるベテランの根元俊一である。根元ならチーム内の信頼も厚く、精神面という意味でも今江の抜けた穴を難無くこなしてくれるはずだ。2012年には133試合に出場し、初の規定打席到達も果たし、攻撃面でも逆方向に強い打球を放つなど、小柄な体に負けない『努力』で年々パワーも付けている。今季、埼玉西武で再生を遂げた脇谷亮太の例もある。今一度、若手と競わせて、一年間を通してフルに見てもらいたい選手である。きっと若手の高い壁にもなってくれるだろう。

 潜在的な能力を獲れば細谷圭も負けていない。
 和製大砲候補と期待されながら、これまでは今江敏晃の陰に隠れて、その壁の高さに何度も弾き返されてきた。昨年からバッティングを面で捉える意識に変えてミートする確率を上げている。今季ファームで78試合に出場して打率.291、本塁打12で、三振の数はわずか36個。ファームでは別格であることは証明済だ。あとは一軍での経験のみ。化ける可能性は十分だ。

1 2 3 4