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谷繁元信氏が指摘する「フレーミング」技術の誤解。いまの捕手には「みっともないと思うことも…」【インタビュー前編】

2021/07/16

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ボールをストライクに見せるのは技術ではない

──ここ数年、メジャーリーグの影響もあってか、「フレーミング」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。高等技術と見られる一方で、ミットを動かしすぎているキャッチャーもいて、賛否があるようですが、谷繁さんはどのように捉えていますか。

谷繁 本当によく耳にするようになりましたね。以前、古田敦也さんとこの話題になったのですが、一致した考えは「『ストライク』の球を『ボール』とコールされないためのキャッチング技術」でした。もう少し言えば、『ストライク』か『ボール』かどちらにも取れるギリギリのコースを、『ストライク!』と言ってもらうためのキャッチング。決して、ボール球をストライクに見せるキャッチングではありません。高校生にも、ここは勘違いしてほしくないところですね。ボール球はボール球ですから。
 

──現役時代、「ボール球をストライクに見せる」という考えはなかったですか。

 

谷繁 ないですね。アンパイアの方といろいろとコミュニケーションを取っていく中で、「キャッチャーがミットを動かすのは、ボール球をストライクに見せるため。だから、ミットを動かしたらボール」という話を聞いて、もうそのとおりですよね。人間の心理としてストライクを取ってほしいからミットを動かす。正直、今のキャッチャーを見ていると、「みっともない」と思うこともあります。アンパイアの心理を考えたほうがいいですね。

 

──何か、あがいているような感じがしますか。

 

谷繁 そうです、そうです。ボールはボール。そんなことをするなら、球がきたところできっちりと止めてあげる。そうすれば、アンパイアはしっかりと見てくれます。

 
 
後編(17日公開)につづく)
 
谷繫元信(たにしげもとのぶ)
1970年生まれ、広島県出身。江の川高から1988年ドラフト1位で横浜大洋ホエールズに入団(98年に日本一)。2002年より中日ドラゴンズに移籍、落合博満監督の下、リーグ優勝4回、日本一1回に貢献した。2014年から選手兼任監督。2015年に現役引退、2016年に監督を退任。通算3021試合出場(NPB記録)、通算2108安打、ゴールデングラブ賞を6回、最優秀バッテリー賞を4回受賞。現在はプロ野球解説者として活動する。
 
大利実

【書誌情報】

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(著者:大利実/280ページ/四六判/1700円+税)
「投球指導」「投手攻略」マル秘上達メソッド
 
【収録高校】 常総学院/島田直也監督 県立大崎/清水央彦監督 八戸工大一/長谷川菊雄監督 立花学園/志賀正啓監督 三重・海星/葛原美峰アドバイザー
 
【日体大】 辻孟彦コーチ
 
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