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【データで選出6月月間MVP】出塁率5割超えのDeNA・オースティンが1位に。オリックス・山本由伸は両リーグ投手で断トツの貢献

2021/07/06

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山本は救援投手並みの奪三振能力。ガンケルは与四球とゴロの面で高評価

 投手の評価も質と量両面でどれだけ貢献したかから求める。質は「奪三振」、「与四死球」、「被本塁打」、「ゴロかフライかライナーかといった打たれた打球の種別」、量は「投球回」によって決まり、そこから平均的な投手と比較しどれだけ多くの失点を防いだかを算出する。
 

 
 投手については、パ・リーグでは山本由伸(オリックス)、セ・リーグではジョー・ガンケル(阪神)がそれぞれ8.5点、4.7点で最大の貢献を残した。

 山本は6月通算で28回を投げて失点はわずかに3(自責点2)。失点をここまで抑えることができたのは、奪三振能力によるところが大きい。打者あたりの奪三振割合を示すK%は38.2%。ランキングを見ると、山本以上のK%を記録したのは救援投手のチアゴ・ビエイラ(巨人)のみとなっている。先発投手でありながら救援投手並みの奪三振能力を発揮したことが、セイバーメトリクスの視点での高評価につながった。ほかに奪三振の面では津森宥紀(ソフトバンク)も好成績を残している。
 
 一方のガンケルは奪三振以外の面で山本以上の好成績を残している。K%は22.9%とリーグ平均を少し上回る程度だったガンケルだが、与四球は月間を通して0。無駄な走者を出さないことで失点を防いだ。また50%弱が平均となるゴロ率では驚異の67.6%を記録。リスクの低い打球を打たせることで失点を防いだ。ガンケルは故障の影響もあり、6月はわずか2試合の先発で13回を投げただけ。量の面でのはたらきは乏しかったが、質の面で非常に高いレベルを保ち、リーグ1位の貢献を残している。
 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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