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王柏融の面目躍如。「大王」の復調を証明した山本由伸からの一撃【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#147】

鳴り物入りで入団した台湾のスーパースターは、今シーズン開幕前から調子を崩し、スランプに陥っていた。しかし不調を脱し、ようやく本来の王柏融の打撃を取り戻してきた。

2021/05/16

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見応えあった山本由伸vs王柏融

 実は僕には「趣味」があって、それは山本由伸のピッチングを見ることなのだ。応援しているチームはファイターズだが、それはそれとして、山本由伸ウォッチングは欠かせない。惚れ惚れするのだ。今、見ていていちばんしびれる投手。オンタイムで見るのはファイターズ優先(ていうか一択)だから、録画視聴になる。録画を忘れたときはDAZN見逃し配信。「オリックスの試合」そのものではなく、山本由伸のピッチングが見たいのだから、球場よりもテレビのほうがいいくらいだ。僕が見るような席からは球筋もわからないし、配球の機微もわからない。テレビ観戦は(他は全部負けだけど)投手を見るときだけは一段優れている。
 
 で、5月12日のオリックス8回戦は、おトクなことにファイターズvs山本由伸だったのだ。好きなチームと好きな投手の激突。
 
 この試合は東京ドームに見に行ったが、加藤貴之vs山本由伸の投げ合いに始まり、1点を争う好ゲームだった。本当に9回最後のアウトを取るまで気が抜けない接戦。最終的なスコアは2対1、ファイターズの勝利だ。これが最高の形。いくら由伸ウォッチが「趣味」といってもファイターズが負けちゃどうしようもない。勝手と言われようがそうなのだ(他球団にはいくらでも勝ってほしい)。だもんで、試合は文句なかったのだが、こと球筋や配球の機微に関しては自宅に戻ってGAORAで見直すしかなかった。まぁ、「一粒で二度おいしい」みたいな話なんだけど。
 
 この日も山本由伸は素晴らしかった。伏見寅威のミットをスパーンッと叩くストレートの魅力。また変化球のキレがハンパない。ファイターズ打線はそもそもあんまり当たってないんだけど、それにしても見下ろして投げていた。加藤も好投してたから試合進行がめちゃめちゃ早かった。何しろ18時台に(5回終了時の)YMCAやってたもんなぁ。もう、時短営業?なんて冗談が出るほとだ。
 
 ただね、この試合、王柏融が2回裏、ホームランを放ってるんだよ。びっくり仰天した。山本由伸からホームランだよ。きれいに振り抜いた弾丸ライナー。これは球場で見てたときは、おお、何かタイミング合ってるなぁ、だったんだよ。ファウルを重ねてる感じがとてもよかった。打ちそうだなー、っていうファウルあるでしょ。それで会心のホームランだったから、キターーと大喜び。
 
 で、家に帰って録画を見たんだけど、出来事の半分もわかってなかった。山本由伸vs王柏融、見応えあったなー。王は山本のストレートにタイミングを合わせるんだ。あの剛球を待っている。王のいちばんいいところは構えたトップの位置からスッと最短でバットが出るところだ。このスッていう感じが今年はなりをひそめていた。

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