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セイバーメトリクスの視点で見るNPB歴代最強打者ランキング ~7位-10位~

2021/02/27

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Getty Images, DELTA・道作



10位:清原和博(1986-2008年)

wRAA通算:508.6 ベスト5シーズン:36位 ベスト10シーズン:19位
 
 10位は西武、読売などで活躍した清原和博となった。成績を落とした引退間際が印象に残っている人にとっては、歴代ベスト10入りがやや意外な結果と感じられるかもしれない。今回の企画は得点生産の積み上げを通算したものであるため、継続の力が結果を大きく左右することの好例である。

 清原は高卒1年目にしてリーグ屈指の強打者レベルとなるwRAA30のラインをクリア。以後毎年成績を伸ばし、4年目、5年目にはリーグ首位の成績となった。この間、高卒5年目までのトータルは196.5となったが、ほかにこのラインに到達した選手は中西太が1人いるのみであった。この後散発的に負傷のシーズンはあったものの、デビュー18年目の2003年でもなおwRAAは20を超えており、最終的に通算wRAAは508.6と極めて大きなものとなった。
 
 現役を通じて大きな武器となったのは、長打力よりも出塁能力だった。最高長打率となったのは1回だけだが、最高出塁率は2度獲得している。通算1346四球は歴代4位。通算196死球と1955三振は歴代1位であった。
 
 清原は、西武グループの威信が頂点に達しつつある時期に1位指名で入団。オーナーは1987年から1994年の間に6回、フォーブスの世界長者番付1位となった。豊富な資金力に支えられたチームは歴代最強との呼び声もあり、清原在籍中に8回優勝を飾っている。オーナーや清原のその後の運命は今昔の感がある。
 
(※2)Relative Range Factor::9イニングあたりの刺殺・補殺の数によって野手の守備力を評価するRange Factorを発展させた指標。一般的な野球の記録から算出することができるため、過去の野手の守備を評価する際に用いられることが多い。
 
DELTA・道作
 
 
DELTA@Deltagraphshttp://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。
 

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