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過度な期待は禁物。“素材型”佐藤輝明の成長曲線は? 阪神のドラ1ルーキーに課せられる高すぎるハードル

2021/02/14

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柳田悠岐

 まずは、球界最強打者・柳田。佐藤輝と同じく素材型であった大卒の外野手は、広島経済大から2010年ドラフト2位でソフトバンク入りした。1年目の成績は以下のとおり。
 
■2011年柳田悠岐の成績
1軍:6試合、打率.000(5打数無安打)、3三振、1得点
2軍:77試合、打率.291(251打数73安打)、13本塁打、43打点、85三振、35四球、20盗塁、OPS.893(出塁率.375+長打率.518)
 
 1年目はファームで揉まれ、力をつけたことがうかがえる。また、ファーム本塁打王(13本)に輝き、一方で20盗塁をマークするなど、すでに才能の片鱗を見せつけている。ルーキーイヤーから1軍で華々しい活躍ができるに越したことはないが、たとえ2軍であっても、みっちり基礎を固めながら結果を残すことができたなら、今後の大きな好材料と言えるのではないだろうか。
 
 成長曲線の参考として、柳田の2年目、3年目の1軍成績も付しておく。
 
2年目:68試合、打率.246(195打数48安打)、5本塁打、18打点、56三振、15四死球、6盗塁、OPS.685(出塁率.300+長打率.385)
3年目:104試合、打率.295(298打数88安打)、11本塁打、41打点、96三振、39四死球、10盗塁、OPS.860(出塁率.377+長打率.483)
 

糸井嘉男

 続いて、佐藤輝と同じ近畿大出身で、現在阪神で活躍する糸井嘉男外野手だ。糸井は、2003年ドラフト自由枠で北海道日本ハムファイターズに入団。プロ最初の2年間は投手として過ごしたため、単純に比較することは難しいが、1軍で初出場を果たした2007年からの成績をみてみよう。
 
■2007年糸井嘉男の成績
1軍:7試合、打率.091(11打数1安打)、1三振、1盗塁、1得点
2軍:54試合、打率.319(216打数69安打)、12本塁打、33打点、42三振、29四死球、14盗塁、OPS.977(出塁率.398+長打率.579)
 
 正式転向1年目の2006年からファームで3割を超える打率をマークしていた糸井。野手転向2年目に1軍デビューを飾ったが、結果を残せなかった。それでもファームでは、突出した数字を残しており、鮮烈なアピールを続けていた。
 
 以降の1軍成績は以下のとおり。
 
2008年:63試合、打率.239(188打数45安打)、5本塁打、21打点、53三振、12四死球、13盗塁、OPS.689(出塁率.285+長打率.404)
2009年:131試合、打率.306(425打数130安打)、15本塁打、58打点、93三振、52四死球、24盗塁、OPS.901(出塁率.381+長打率.520)

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