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楽天の新助っ人アダム・コンリーとは 2018年にリリーフ転向の速球派、2年で112試合登板のタフネス左腕【成績データ分析】

2021/01/08

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 ストーブリーグに突入したプロ野球。戦力補強で大きな比重を占めるのが、助っ人外国人選手の存在だ。近年は、メジャーリーグで輝かしい実績を残した選手の来日も珍しくなく、昨オフはメジャー通算1939安打を放ったアダム・ジョーンズ外野手や、遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した経験を持つアルシデス・エスコバー内野手らビッグネームも来日した。
 

 
 新たな助っ人外国人選手の中にも、メジャーリーグで活躍した選手が名を連ねている。ここでは経歴、メジャー時代のデータに着目し、各選手の特徴やプレースタイルに迫っていきたい。今回は2021年シーズンを東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーするアダム・コンリー投手だ。

経歴

 コンリーは、アメリカ合衆国出身の30歳。身長190センチ、体重94キロ。左投左打の投手だ。2015年にマイアミ・マーリンズでメジャーデビュー。翌2016年は先発ローテーションの一角として25試合(133回1/3)を投げ、8勝、防御率3.85をマークした。
 
 2017年にも同じく8勝を挙げたが防御率6.14と悪化し、翌2018年にリリーフへ転向した。同年は見事な適応力で52試合登板、16ホールド、防御率4.09をマークし、高い奪三振率を誇った。しかし2019年は、チーム最多の60試合に登板するも6ホールド、防御率6.53と精彩を欠き、2020年は登板なしに終わった。
 
 MLB通算成績は、174試合(414回1/3)を投げ、25勝30敗5セーブ22ホールド、358奪三振、防御率4.82、WHIP1.42となっている。

投球スタイル

 大きな武器は、最速159キロを誇る速球だ。腕の位置はサイド気味、インステップしてくる変則的な投球フォームで、特にクロスファイヤーは威力抜群。自慢の速球とタイミングを外すチェンジアップなどを駆使し、奪三振能力は高い。また、2年間で112試合に登板するなどタフさも魅力で、石井一久ゼネラルマネージャー(GM)兼監督は、「左・右打者関係なく1イニングを投げ切る力のあるボールがあります。」と評した。
 
 一方で、課題となっているのが制球力だ。2018年は50回2/3で18四球、翌2019年は60回2/3を投げ29四球と悪化し、結果としてWHIP1.73と多くの走者を背負った。四死球で崩れる場面も多く見られ、どれだけストライクゾーンで勝負できるかという点は、活躍に向けた一つの目安となるだろう。

球種別投球割合


 
 上記は2019年の球種別投球割合だ。フォーシームが61.7%と投球の6割以上で、自信のある真っ直ぐ勝負が多くを占めている。
 
 変化球では、曲がり幅の大きいスライダーに注目したい。投球割合ではフォーシーム、チェンジアップに次ぐ13.9%だが、キャリアの中で最も被打率の低い球種となっており、2019年は被打率.111とした。また、2018年にリリーフ転向後は被本塁打0と打者を手玉に取っている。

左右別相性

 左の変則フォームということもあり、2018年は右打者に対して防御率5.61ながら、左打者に対しては防御率2.52とした。差は小さくなったが、翌2019年も同様の傾向が見られるなどリリーフ転向後は対左打者を得意としている。しかし、先発を担っていた2016、17年は左打者の方が打ち込まれており、圧倒的な強さは見られない。