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カープの新助っ人ケビン・クロンとは 昨季3A本塁打王の長距離砲、兄はメジャー通算118発のC.J.クロン【成績データ分析】

2020/12/26

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 ストーブリーグに突入したプロ野球。戦力補強で大きな比重を占めるのが、助っ人外国人選手の存在だ。近年は、メジャーリーグで輝かしい実績を残した選手の来日も珍しくなく、昨オフはメジャー通算1939安打を放ったアダム・ジョーンズ外野手や、遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した経験を持つアルシデス・エスコバー内野手らビッグネームも来日した。
 

 

 新たな助っ人外国人選手の中にも、メジャーリーグで活躍した選手が名を連ねている。ここでは経歴、メジャー時代のデータに着目し、各選手の特徴やプレースタイルに迫っていきたい。今回は2021年シーズンを広島東洋カープでプレーするケビン・クロン内野手だ。

経歴

 クロンは、アメリカ合衆国出身の27歳。身長195センチ、体重115キロ。右投右打の内野手だ。メジャー通算118本塁打を放ち、現在はフリーエージェント(FA)となっているC.Jクロン内野手を実兄にもつ。昨季アリゾナ・ダイヤモンドバックスでメジャーデビューを果たし、39試合出場で6本塁打を放つなど大気の片鱗を見せた。
 
 ブレイクが期待された今季だったが、8試合の出場にとどまり、17打数無安打で打率.000とメジャーの壁に阻まれた。
 
 MLB通算成績は、47試合出場、打率.170、15安打、6本塁打、16打点、OPS.665(出塁率.245+長打率.420)となっている。

プレースタイル

 打撃面は、生粋のホームランアーチストといえる。メジャーで本領発揮とはならなかったが、マイナーリーグでは実績を残しており、昨季は3Aで打率.331、38本塁打、105打点、OPS1.226(出塁率.449+長打率.777)と驚異的な数字を残して本塁打王を獲得。同年メジャーで放った15安打中6本が本塁打と長打力は一級品だ。一方で、課題も浮き彫りとなっており、昨季は71打数で28三振、今季は17打数で7三振とコンタクト率が低く、対応力が不安視される。
 
 守備面は、メジャー通算47試合のうち一塁で13試合、三塁でわずか1試合の出場となっている。一塁守備では61回の守備機会で1失策、指名打者(DH)の出場が多くを占めていることから、守備力には疑問が残る。

ゾーン別打率


 
 上記は昨季のゾーン別打率だ。今季は打率.000となったため、昨季のデータを使用した。真ん中のゾーンと内角ベルト付近の球を高打率としており、甘く入った球を確実にとらえている。空振り率を見ると、内角低めと外角ベルト付近から低めの球に手を焼いていることから、外寄りにウィークポイントがあり、内角の厳しいコースへの対応にも苦しんだといえるだろう。

球種別

 2019年は、速球に対して打率.308と強さを発揮。本塁打数6本中5本が速球をとらえたもので、長打率は.795をマークした。一方で、チェンジアップなどのオフスピードピッチは打率.111、カーブなどのブレーキングボールに至っては打率.087と打ちあぐねた。

左右別相性

 2019年は、左投手に対して打率.222、右投手に対して打率.208と大きな開きはないが、対左投手に対しては18打数で9三振と対応力に欠けた。本塁打数は6本中5本を対右投手から放っているが、対戦数が多いことに起因する。