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メジャー移籍目指す菅野智之 各指標が示すプロ8年間の変貌、ターニングポイントは意外なシーズンに

2020/12/20

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 読売ジャイアンツは8日、菅野智之投手のポスティングシステムを利用したメジャー移籍の承認を発表。同日からメジャー30球団との交渉が解禁された。
 

 
 菅野は、東海大卒業後に1年間の浪人期間を経て2012年ドラフト1位で巨人に入団。チームのエースとして沢村栄治賞2回を始めとした数々のタイトルを受賞し、通算101勝を挙げた。
 
 今回は、セイバーメトリクスの指標で菅野の投球を振り返り、プロ8年間の変貌に迫る。

唯一2桁勝利逃した2016年がさらなる飛躍のきっかけに


 
 奪三振に着目すると、ルーキーイヤーの2013年から155奪三振、8点台に迫る奪三振率をマーク。先発投手としてはトップクラスの数字を残した。しかし2014、2015年は投球回の差はあるものの、ともに120奪三振程度、奪三振率も6点台にとどまった。
 
 意外にもターニングポイントとなったのは、8年間で唯一2桁勝利を逃した2016年。投球回を上回る189奪三振、奪三振率9点台をマークし、自身初の最多奪三振に輝いた。同年をきっかけに高水準の数字を出し続け、2018年には2度目の最多奪三振を受賞。昨季は腰痛の影響もあり成績が低迷したが、投球フォーム変更に着手した今季は、投球回に迫る三振を奪うなど見事な復活劇で打者を圧倒した。

奪三振量産の鍵は制球力にあり、プロ8年間で独自の投球スタイルを確立


 
 グラフは菅野のK%(奪三振割合)、BB%(与四球割合)、K-BB%(奪三振割合と与四球割合の差)、WHIP(1イニングあたりに出塁を許した人数の平均)の年度別推移をリーグ平均と比較したものだ。菅野の値が1を上回れば、リーグ平均より優れていることを表している。
 
 全体を見ると、菅野の凄みが改めて浮き彫りになった。リーグ平均を下回ったのは、2015年のK%のみと指標上でも安定した成績を残し続けていることがわかる。
 
 ここでも再び2016年に注目してほしい。全ての指標が良化し、ほとんどがキャリアハイの数値となったが、BB%、K-BB%の水準がより顕著に上昇。奪三振量産に並行して、制球力の向上も際立った。また、同年は菅野の代名詞の1つとなっている「ワンシーム」を解禁し、試合でも重用。同球種も効果的に働いて投球の幅を広げ、より支配的な投球を可能にした。
 
 続く2017年はWHIP0.85、2018年のK%、K-BB%はリーグ平均の2倍近い数値を叩き出すなど以降も着実にステップアップ。成績を下げた昨季も、4つの指標全てでリーグ平均を超えていた。
 
 多くの三振を奪う「本格派」の面と、高い制球力を誇る「技巧派」の面を兼ね備える菅野。プロ8年間で両方を掛け合わせた独自の投球スタイルを確立した。。

菅野の年度別成績一覧

2013年 27試合(176回)、13勝6敗、155奪三振、防御率3.12、K%17.7、BB%8.4、K-BB%9.4、WHIP1.15
 
2014年 23試合(158回2/3)、12勝5敗、122奪三振、防御率2.33、K%19.1、BB%5.6、K-BB%13.4、WHIP1.10
 
2015年 25試合(179回)、10勝11敗、126奪三振、防御率1.91、K%17.7、BB%5.8、K-BB%12.0、WHIP1.06
 
2016年 26試合(183回1/3)、9勝6敗、189奪三振、防御率2.01、K%26.0、BB%3.6、K-BB%22.5、WHIP0.99
 
2017年 25試合(187回1/3)、17勝5敗、171奪三振、防御率1.59、K%24.0、BB%4.3、K-BB%19.6、WHIP0.85
 
2018年 28試合(202回)、15勝8敗、200奪三振、防御率2.14、K%25.0、BB%4.6、K-BB%20.3、WHIP1.00
 
2019年 22試合(136回1/3)、11勝6敗、120奪三振、防御率3.89、K%20.8、BB%5.5、K-BB%15.3、WHIP1.25
 
2020年 20試合(137回1/3)、14勝2敗、131奪三振、防御率1.97、K%24.6、BB%4.7、K-BB%19.9、WHIP0.89






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