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本塁打王の浅村栄斗、打点王の中田翔、外野手部門の最有力は高打率のタイトルホルダーたち…2020年シーズンのベストナインの行方は?<パ・リーグ編>

2020/12/08

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 福岡ソフトバンクホークスの4連覇で幕を閉じた2020年のプロ野球。今後発表されていく表彰には、ベストナイン賞も控えている。
 

 
 ベストナインは、プロ野球担当記者による投票によって受賞者が決定。各ポジション1名、外野手は3名、パシフィック・リーグのみ指名打者(DH)部門が選出される。
 
 今回は、パ・リーグのベストナインの行方を予想していく。

投手

 投手部門は、2年連続受賞を狙うソフトバンクの千賀滉大投手が一歩リードか。今季は最優秀防御率、最多勝、最多奪三振の投手3冠を獲得。チームのリーグ優勝、4連覇の原動力となった。もう一人の有力候補は、最多奪三振のタイトルを分け合ったオリックス・バファローズの山本由伸投手。防御率はリーグ2位、勝率では千賀を上回った。千賀が受賞すれば2度目、山本は初受賞となる。
 
千賀滉大 18試合(121回)、11勝6敗、勝率.647、1完投、149奪三振、防御率2.16、WHIP1.21
山本由伸 18試合(126回2/3)、8勝4敗、勝率.667、1完投、149奪三振、防御率2.20、WHIP0.94

捕手

 捕手部門は、ソフトバンクの甲斐拓也捕手が有力か。今季も正捕手としてチームに欠かせない存在となり、打撃面では打率.211ながら、捕手両リーグ最多の11本塁打を放った。対抗馬としては3年連続受賞を狙う埼玉西武ライオンズの森友哉捕手らがいる。森が受賞すれば3度目、甲斐は2度目となる。
 
甲斐拓也 104試合、打率.211、61安打、11本塁打、33打点、4盗塁、OPS.694(長打率.377+出塁率.317)
森友哉  104試合、打率.251、90安打、9本塁打、38打点、4盗塁、OPS.705(長打率.380+出塁率.325)

一塁手

 一塁手部門は、北海道日本ハムファイターズの中田翔内野手が筆頭だろう。打率こそ.239と低迷したが、31本塁打、108打点をマークして3度目の打点王を獲得。惜しくも本塁打王との2冠はならなかったが、最後までタイトルをかけた熱戦を演じた。他にもいぶし銀の活躍を見せたソフトバンクの中村晃外野手らがいる。中田が受賞すれば通算5度目(一塁手としては3度目)、中村晃は初受賞となる。
 
中田翔 119試合、打率.239、105安打、31本塁打、108打点、1盗塁、OPS.811(長打率.491+出塁率.320)
中村晃 100試合、打率.271、98安打、6本塁打、50打点、OPS.709(長打率.367+出塁率.341)

二塁手

 二塁手部門は、5年連続受賞を狙う東北楽天ゴールデンイーグルスの浅村栄斗内野手でほぼ決まりだろう。今季は全120試合に出場。32本塁打、104打点をマークし、大阪桐蔭高の先輩でもある中田との争いを制して初の本塁打王に輝いた。懸念点は指名打者部門に票が流れることだ(32試合に指名打者として出場)。対抗馬としては浅村を上回る打率.283をマークした日本ハムの渡邉諒内野手らがいる。浅村が受賞すれば通算6度目(二塁手としては5度目)、渡邉は初受賞となる。
 
浅村栄斗 120試合、打率.280、121安打、32本塁打、104打点、1盗塁、OPS.969(長打率.560+出塁率.408)
渡邉諒  117試合、打率.283、117安打、6本塁打、39打点、4盗塁、OPS.725(長打率.377+出塁率.348)

三塁手

 三塁手部門は、楽天の鈴木大地内野手が有力視される。千葉ロッテマリーンズから楽天に移籍した今季は、開幕から安打を量産。最終的に全120試合に出場して打率.295、リーグ3位の141安打を放った。懸念点は一塁手部門に票が流れることだ(48試合で一塁守備に就いた)。他にも三塁のポジションでは113試合に出場し、13本塁打を放ったソフトバンクの松田宣浩内野手、今季レギュラーに定着したロッテの安田尚憲内野手も候補に挙がる。鈴木大が受賞すれば通算3度目(三塁手としては初)、松田宣が受賞すれば2度目、安田は初受賞となる。
 
鈴木大地 120試合、打率.295、141安打、4本塁打、55打点、1盗塁、OPS.744(長打率.381+出塁率.363)
松田宣浩 116試合、打率.228、90安打、13本塁打、46打点、1盗塁、OPS.668(長打率.382+出塁率.285)
安田尚憲 113試合、打率.221、87安打、6本塁打、54打点、2盗塁、OPS.647(長打率.321+出塁率.326)

遊撃手

 遊撃手部門は、楽天の小深田大翔内野手と3年連続受賞を狙う埼玉西武ライオンズの源田壮亮内野手の一騎討ちだろう。小深田はルーキーながら112試合に出場。打率.288、17盗塁と結果を残し、プロの舞台で躍動した。対する源田は打率.270、18盗塁をマーク。全120試合で遊撃のポジションを守った。源田が受賞すれば3度目、小深田はもちろん初受賞となる。
 
小深田大翔 112試合、打率.288、109安打、3本塁打、31打点、17盗塁、OPS.745(長打率.381+出塁率.364)
源田壮亮  120試合、打率.270、123安打、1本塁打、21打点、18盗塁、OPS.656(長打率.330+出塁率.327)

外野手

 外野手部門は、例年同様に熾烈な争いが繰り広げられているが、最有力候補は高打率をマークしたタイトルホルダーたちだ。まずは3年連続受賞を狙うオリックスの吉田正尚外野手だ。今季は打率.350で首位打者のタイトルを獲得。安打数、出塁率でもリーグ2位と確実性の高い打撃が光った。続いてソフトバンクの柳田悠岐外野手。146安打で最多安打のタイトルを獲得した。打率.342と最後まで首位打者争いを繰り広げ、リーグ3位の29本塁打をマークするなど柔と剛を兼ね備えた打撃でシーズンMVPの有力候補にも挙げられている。そして日本ハムの近藤健介外野手。出塁率.465をマークし、2年連続で最高出塁率に輝いた。打率.340、二塁打もリーグトップの数字で、5本塁打ながら、OPS.934を誇った。
 
 背中を追いかけるのは、日本ハムの西川遥輝外野手と大田泰示外野手か。西川は今季も主にリードオフマンとして打率.306、42盗塁をマーク。大田は開幕直後の打撃不振を乗り越え、打率.275、14本塁打をマークして外野守備でも高い貢献度を見せた。また、楽天の島内宏明外野手も打率.281と安定した成績を残し、受賞の可能性を残している。柳田が受賞すれば5度目、吉田正、西川は3度目、近藤は通算2度目(外野手としては初)、大田、島内は初受賞となる。
 
柳田悠岐 119試合、打率.342、146安打、29本塁打、86打点、7盗塁、OPS1.071(長打率.623+出塁率.449)
吉田正尚 120試合、打率.350、143安打、14本塁打、64打点、8盗塁、OPS.966(長打率.512+出塁率.453)
近藤健介 108試合、打率.340、126安打、5本塁打、60打点、4盗塁、OPS.934(長打率.469+出塁率.465)
西川遥輝 115試合、打率.306、129安打、5本塁打、39打点、42盗塁、OPS.825(長打率.396+出塁率.430)
大田泰示 115試合、打率.275、125安打、14本塁打、68打点、3盗塁、OPS.721(長打率.407+出塁率.314)
島内宏明 114試合、打率.281、114安打、8本塁打、53打点、9盗塁、OPS.755(長打率.392+出塁率.363)

指名打者(DH)

 指名打者(DH)部門は、楽天のステフェン・ロメロ外野手と西武の栗山巧外野手の争いか。ロメロは、昨オフにオリックスから楽天へ移籍。オリックス時代の故障の多さが不安視されたが、今季は一軍でシーズンを完走し、打率.272、24本塁打を放った。懸念点は外野手部門に票が流れることだ(49試合で外野守備に就いた)。対する栗山は衰え知らずの打撃を見せ、同じく打率.272、自己最多タイの12本塁打を放つなど存在感を放った。栗山が受賞すれば通算4度目(指名打者としては初)、ロメロは初受賞となる。
 
ステフェン・ロメロ 103試合、打率.272、97安打、24本塁打、63打点、OPS.893(長打率.539+出塁率.354)
栗山巧       111試合、打率.272、101安打、12本塁打、67打点、OPS.790(長打率.427+出塁率.362)
 
 
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