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圧倒的強さで首位に立つ巨人 独走態勢の裏にドラフト下位指名、育成出身選手の存在あり

2020/09/20

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高卒2年目・戸郷征翔とリリーフで活躍見せる3人の左投手

 先発投手として大活躍を見せているのが、ドラフト6位入団の高卒2年目、戸郷征翔投手だ。戸郷はルーキーイヤーの昨季、リーグ優勝のかかった試合で初登板初先発。異例の一軍デビューからも期待の高さがうかがえる。背番号を「13」に変更した今季は、150キロ超の速球と、独特な軌道のカットボールを武器に先発ローテーション入りを果たすと、ここまで7勝をマーク。規定投球回未満ながら防御率2.37、投球回を上回る三振を奪うなど圧巻の投球で、セ・リーグ新人王の筆頭候補に挙げられている。
 
 リリーフとして活躍する3投手も、チームに欠かせない戦力となっている。まずは、ドラフト7位入団の大卒5年目、中川皓太投手だ。中川は、2018年オフにサイドスロー気味の投球フォームに転向すると、昨季はリリーフとして一軍に定着。16試合連続無失点を記録するなど安定した投球を見せ、チームのリーグ優勝に大きく貢献した。オフにはWBSCプレミア12の日本代表にも選出され、世界一を経験。さらなる活躍が期待される今季は、主にセットアッパーとして2勝6セーブ12ホールド、防御率0.93と抜群の安定感でチームを支えている。
 
 続いて、ドラフト9位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団した社会人出身の4年目、高梨雄平投手だ。高梨は、左のサイドスローから繰り出す曲がりの大きいスライダーを武器に、ルーキーイヤーから活躍。2年目の2018年にはリリーフとして70試合に登板し、オフには日米野球の日本代表にも選出された。昨季も活躍を見せたが、今季は開幕一軍を逃すと、以降も一軍登板はなく、7月14日に巨人へのトレード移籍が発表された。移籍後は、鬱憤を晴らすかのような投球を続け、15試合連続無失点を記録するなど、勝ちパターンの一角に定着。右打者に対しても苦手意識はなく、1勝2セーブ12ホールド、防御率0.86と期待以上の活躍を見せている。
 
 そして、今季頭角を表しているのが、ドラフト6位入団の高卒4年目、大江竜聖投手だ。大江は、3年目の昨季にリリーフとして開幕一軍を掴んだが、結果は残せず二軍降格。悔しさの残るシーズンとなった。今季は、開幕延期となった期間でサイドスロー転向を決断。開幕一軍とはならなかったが、投球フォームの変更が功を奏し、7月24日に一軍昇格後は、中川、高梨に次ぐ左のリリーフとして様々な場面で登板を重ね、ここまで2勝7ホールド、防御率2.08をマークしている。
 
戸郷翔征
右投右打
聖心ウルスラ高
2018年ドラフト6位
今季成績 11試合(64回2/3)、7勝3敗、72奪三振、防御率2.37
通算成績 13試合(73回1/3)、8勝3敗、83奪三振、防御率2.33
 
中川皓太
左投左打
広島・山陽高-東海大
2015年ドラフト7位
今季成績 30試合(29回)、2勝1敗6セーブ12ホールド、21奪三振、防御率0.93
通算成績 147試合(158回1/2)、7勝4敗23セーブ32ホールド、147奪三振、防御率3.18
 
高梨雄平
左投左打
川越東高-早稲田大-JX-ENEOS
2016年ドラフト9位
今季成績 24試合(21回)、1勝2セーブ12ホールド、21奪三振、防御率0.86
通算成績 188試合(144回)、5勝5敗3セーブ56ホールド、163奪三振、防御率1.75
 
大江竜聖
左投左打
二松学舎大付高
2016年ドラフト6位
今季成績 24試合(21回2/3)、2勝7ホールド、21奪三振、防御率2.08
通算成績 32試合(32回1/3)、2勝8ホールド、28奪三振、防御率3.62

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