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「走者を置いた状態が最悪」対戦投手が嫌がる近藤健介の威圧感と技術【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#130】

Bクラスに甘んじているファイターズだが、チーム打率・防御率は6球団の中で上位に位置し、個人成績においてはリーグトップの選手もいる。特に近藤健介の出塁率は、プロ野球記録更新も決して夢ではない。

2020/09/19

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驚異の出塁率を維持しつづけるコンスケ

 今週は近藤健介の出塁率が話題になった。9月15日のソフトバンク戦を終えた時点で落合博満氏(1986年、ロッテ在籍時)の持つ日本記録.487に並んだのだ。本稿執筆の18日23時の時点では.482とちょっと下がってしまった。まぁ、しかし、ざっくり言ってほぼ5割水準で出塁していることに変わりはない。
 
 少しだけ愚痴を言う。何で5割水準で出塁してる打者と、本塁打&打点でリーグトップの打者が主軸にいて、先発投手陣が揃ってるのにハムは下位をうろついているのだろう。チーム打率もチーム防御率もリーグ2位だ。これはよっぽどやり方を間違えてるとしか言いようがない。まぁ、野球は数字通りにはいかないものだが、フツーに考えればAクラスを外す理由が見当たらないチームなのだ。
 
 近藤に話を戻す。5割水準で出塁。簡単に書いているけれど尋常のことではない。高校野球の地方大会でときどき打率4割の選手が出るけれど、体感としては全打席クリーンヒットを打ってるイメージになる。4割でその印象だから5割近い近藤となると常に出塁しているのだ。ざっくり言って出塁してないときが思い出せないくらいの好打者。プロ野球史上、落合博満氏の全盛時に匹敵する「モンスター級」を僕らは毎試合、目撃しているのだ。
 
 今、あえて「モンスター級」という言葉を用いたけれど、コンスケの風貌にマッチしてなくて面白くなかったろうか。そうなのだ、笑顔の近藤健介はぜんぜん威圧感がなくて、「モンスター」という表現から遠い。印象度から言っても新聞の見出しになりにくいと思う。派手なホームランをかっ飛ばすわけでもない(かっ飛ばさないわけでもないのだが)。コメントも控え目だ。中田翔のような(多分にサービストーク的な)ヤンチャなコメントを発するわけでもない。ただ淡々とヒットを打ち、四球を選んで出塁する。
 
 が、相手投手からすると威圧感満点らしい。僕は他球団の主力投手を取材して、近藤が嫌だという話を何度も聞いた。いわゆるホームランバッターではないので、一発の警戒はない。それでもアウトに取るのがあれほど難しい打者もいない。

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