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MLBスカウトは勝負強さを評価 パンアメリカン競技大会で銅メダルのデスパイネ「マリーンズのために全力で」

7月10日より19日までパンアメリカン競技大会が、カナダ・トロント市を中心に開催された。「パンナム・ゲームズ(Pan-am games)」とも呼ばれ、第17回を数える今大会は、41の国と地域から選手が参加して48の競技で金メダルを争い、カナダの優勝で幕を閉じた。この大会に参加したキューバ代表は銅メダル。巨人でプレーするメンドーサ、セペダとともに、千葉ロッテの主砲、デスパイネも代表に名を連ねた。

2015/07/22

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デスパイネのプレーにメジャーも注目

 野球競技に出場するのは、開催国のカナダ、北米代表のアメリカをはじめ、中米カリブ予選を勝ち抜いたキューバ、ニカラグア、ドミニカ共和国、プエルトリコ、南米王者コロンビアの7チーム。ベネズエラやパナマなど実力国が敗退するなど熾烈な予選を突破したチームが総当たりのリーグ戦を行い、上位4チームがトーナメントで優勝を目指す。

 メジャーリーグの40人枠に入っている選手は出場できないため、豊かな将来性を備えた若手、もうひと花咲かせたいと活躍を目論む30代の選手が各チームのロースターに名を連ねる。

 チーム力ではニカラグアとコロンビアがやや劣ると見られ、優勝争いは他の5チームになると言われる中、どのチームもニカラグアとコロンビアには取りこぼすことなく、5強の直接対決に注目が集まる。その結果、初戦でカナダに敗れ、プエルトリコにも逆転負けを喫した第3回ワールド・ベースボール・クラシックの王者ドミニカ共和国がリーグ戦で姿を消した。

 大会前、キューバの地元紙には『デスパイネやセペダは中軸で起用しない』という記事も掲載されたが、四番を任されたデスパイネは攻守にアグレッシブなプレーを披露。カナダとのリーグ戦第4戦で完封負けを逃れるソロ本塁打を放つと、そこから3試合連続本塁打で存在感を示した。リーグ戦は、カナダが5勝1敗で1位。4勝2敗でアメリカ、プエルトリコと並び、失点数で3位となったキューバは、準決勝でリーグ戦2位のアメリカと再び対戦する。4点リードを7回裏に追いつかれ、9回サヨナラ負けで決勝進出を逃すと、3位決定戦でもプエルトリコに3点リードされて9回裏の攻撃を迎える。しかし、ヨルビス・ボロトが起死回生の同点3ランを放ち、続くガルシアのサヨナラ弾で何とか銅メダルを死守した。

 デスパイネは大会を通して打率.176、3本塁打6打点と、数字を見れば本領を発揮したとは言えない結果に終わった。それでも、メジャーのスカウトたちの目には「ここ一番での集中力があり、勝負強さが光る優秀なプレーヤー」と映ったようだ。現地時間の19日、カナダの優勝で野球競技は幕を閉じた。

「今は金メダルを獲ることだけを考えているけれど、大会が終わったらすぐに日本へ帰り、マリーンズのために全力で頑張りたい。1年でも長く日本でプレーしたいんだ」

 大会中にそう笑顔で話していたデスパイネの後半戦の活躍に期待したい。

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