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史上最高のオールスター男は清原和博と江夏豊 今年も真夏のドラマが開幕【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、オールスターで過去に活躍した選手についてだ。

2015/07/17

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新旧交代の時期

 現役打者のオールスターでの成績を見てみよう。
 10安打以上と、今回の球宴に出場する選出2回以上の選手。

広尾様0717表3

 今年は、実績のある選手の多くが選ばれていない。これは、今が新旧交代の時期にあることを意味している。ベテランの力が衰え、若い勢力が台頭しているのだ。
 最近の選手は先発しても途中で交代するので打数が少ない、三振、四球も多くないのは、早打ちの傾向にあるからだ。
 交流戦が導入されてから、リーグ対抗戦の新鮮味が薄れ、球宴のベンチは和気あいあいとしている。昔とはかなり雰囲気が違う。しかし、オールスター戦の結果でリーグのドラフト優先権が与えられることを考えれば、この試合の意味するものは依然、大きい。

 現役で注目すべきは広島から選ばれた新井貴浩。彼はオールスターでは21打数11安打.524。20打数まで範囲を広げれば、これは白仁天とならぶ史上最高打率。この球宴で単独首位に立つ可能性さえある。

 投手陣の歴代記録を勝利数順、2勝以上の選手でまとめた。

広尾様0717表4

 山田久志が7勝。この投手はパリーグのプライドを胸に力投した。打者のオールスター男が清原和博なら、投手は文句なしに江夏豊。1971年の第1戦の9連続三振は今や伝説だ。それだけでなく江夏は球宴で6セーブを挙げている。MVPも3度。彼も大舞台に燃えた男だ。

 現役では前田健太が華々しい活躍。3勝は現役最多。10回を投げて1失点。彼も意気に感じて投げる投手だ。
 現役選手のランキング。1勝以上と今回の球宴に出場する選出2回以上の選手。

広尾様0717表5

 やはり投手陣も実績あるベテランから、若手へ新旧交代の時が来ている。そのなかで40歳の黒田博樹は2007年以来8年ぶりの球宴。打者の新井貴浩とともに、広島のベテランは踏ん張っている。

 若手では、3回目の選出となった大谷翔平、藤浪晋太郎のライバル対決も見ものだ。そして表にはないが、代走で史上初めて選ばれた鈴木尚広にも注目したい。

 オールスターはこれまでも、球史に残る名勝負を繰り広げてきた。今年もレジェンドが生まれることを期待しよう。

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