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前半戦4位ターンのヤクルト、成瀬&大引のFA補強は成功だったのか【新・燕軍戦記#8】

今シーズンの東京ヤクルトスワローズの補強の目玉として、FAで入団した成瀬善久と大引啓次。借金3、首位から1.5ゲーム差の4位で前半戦を折り返したヤクルトにとって、この2人の獲得は成功だったと言えるのだろうか……。

2015/07/17

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左脇腹肉離れから復帰後は打率3割超

 成瀬と同様、FAで日本ハムから移籍してきたのが、プロ9年目の大引啓次(31歳)。新天地で迎えたシーズン序盤は極度の打撃不振にあえぎ、左脇腹の肉離れで2カ月近く戦列を離れるなど、ここまで41試合の出場で打率.195、1本塁打、17打点という成績は、やはりもの足りないと言わざるをえない。

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「開幕から個人的に本当に苦しいシーズンを送ってしまって、チームに迷惑をかけました。また、長期離脱してしまったっていうのが僕自身もすごく残念でしたけど、ケガが治ってまた一軍に呼んでもらって、いい形で復帰できたっていうのは、後半戦に向けての明るい兆しなんじゃないかなって思います」

 大引自身そう話すとおり、ケガからの復帰後は序盤の不振を取り返すかのように打ちまくっている。6月28日の巨人戦(神宮)で一軍に復帰してからの打率は、実に.326。前半戦最終ゲームとなった7月15日の中日戦(ナゴヤドーム)では、移籍後初本塁打となる決勝2ランを放ち、試合後のヒーローインタビューで「ここのところ調子もだんだん上がってきてるんで、後半戦にかけてどんどん活躍できたらいいなと思ってます」と声を弾ませた。

 そんな、このところの大引のバッティングを「これが本来の形」と評すのは、杉村繁チーフ打撃コーチ。

「(序盤は)FAで来て、成績を残さなきゃいけないというプレッシャーもあったと思うし、セリーグのピッチャーもほとんど知らない。そういうところで成績が出なかったんでしょう。(シーズンも)半分終わってだいたいピッチャーもわかってきただろうし、後半はもっと上がってくるでしょ。まあ、前半みたいなことはないですよ」

 もちろん打つだけが大引の価値ではない。日本ハム時代から大引を知る、三木肇作戦兼内野守備走塁コーチは言う。

「守備にしてもエラーの数はそこそこ(6個)あるんですけど、記録に表れない好判断とかその前の準備とか、目に見えないところですごくいいプレーがあるっていうのは、僕の中で評価できる選手です。やっぱりアイツがショートを守ってるのは心強いっていうか、ピッチャーやほかの野手にもいい影響を与えてると思いますね」

 成瀬も大引も前半戦の成績だけ見れば、その大きな期待に十分に応えているとは言い難い。だが、シーズンはまだまだこれから。史上まれに見る混戦からヤクルトが抜け出し、14年ぶりの頂点に駆け上がるためには、やはりどちらも戦力として欠かすことはできない。

 ヤクルトにとっては異例とも言えるFA補強が成功だったか否か──。その答えは後半戦の2人の働きにかかっている。

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