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今季初、本拠地の有観客試合を現地取材。コロナ禍で取り組む横浜DeNAベイスターズのファンサービス

7月17日、横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアムでは今季初の有観客試合が開催された。球団は新型コロナウイルス感染症の防止策を徹底しつつ、ファンが野球を楽しめる環境整備をこれからも推し進めていく。

2020/07/29

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写真提供:横浜DeNAベイスターズ



新しい形の応援で選手をサポート

 ビールと言えば、野球観戦のお供という人も少なくないだろう。しかし、感染防止対策として、販売は6回裏終了まで。売り子はフェイスガードとマスクを着用し、スタンド内ではなく、コンコースのみに立っていた。大きな声も出せない。そんななか、小さく手を上げたり会釈をしたりと、新しい形で観客とコンタクトをとっていた。
 
 コンコースを歩いていると、売店前にソーシャルディスタンスを保ちながら並ぶ人を発見。
 
「お目当てはもちろん、(7月17日発売の)『目玉チャーハン』です。消毒液はいろんな場所に設置してあるので助かります。食べる直前にも消毒できるように、携帯用も持参しています」
 
 そう言いながら、ベイスターズグッズの『ハンドサニタイザー』を見せてくれたのは、相模原市の藤原さん(女性/会社員)。
 
「コロナのことを考えると、友達を誘うのは、まだ早いかなと思って、一人で来ました。例年のような応援ができないのは寂しいですが、今日は、生で野球を観られる喜びのほうが大きいですね。選手の皆さんにはハツラツとしたプレーを期待しています」
 
 確かに応援の仕方は例年と大きく違っている。大声での声援や歌唱、鳴り物は禁止。席は前後左右に十分な距離を保つため、仲間と一緒に行っても隣に座ることはできない。観客同士のハイタッチもNGだ。そのぶん、手作り応援ボートやタオルを掲げるなど、感染防止に配慮した応援が際立っていた。なかでも拍手の〝力〟の大きさを感じる場面が多々あった。
 
 試合前には、イベント『BLUE FRIDAY~FRIDAY OVATION PROJECT~』の一環として、選手、観客らが医療・介護従事者へ敬意と感謝を込めた拍手を送った(クラップ・フォー・ケアラーズ)。対戦チームも含め、スタジアムにいる人すべての心が一つになった時間だ。
 

 今シーズンの金曜日、横浜スタジアムで行われる試合で開催される本イベントでは、『クラップ・フォー・ケアラーズ』のほか、選手が〝横浜ブルー〟を基調とした新ビジターユニフォームを着用。また、勝利時の花火演出を青色中心にするなど、さまざまな医療・介護従事者への感謝を示す企画が考えられている。ブルーにライトアップされたレフト側ウィング席外壁もその一つで、次は8月14日、28日に実施される(9月以降は未定)。
 
 この日、6回終了時降雨コールド(1-2)でベイスターズは負けてしまったが、スタジアムで野球観戦できる喜びを再確認できたことは大きい。
 
 プロ野球を含む大規模イベントの人数制限緩和は、まだ先になりそうだが、一日でも早く、ハマスタがさらにブルーに染まる日が来ることを切に願う。

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