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田中将大、シーズン24勝0敗1セーブの軌跡。連勝記録はギネス世界記録にも認定――NPB歴代1位記録の詳細を振り返る【プロ野球史を振り返る】

2020/05/24

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田中24勝1セーブの全貌は?

 東北楽天ゴールデンイーグルス・田中将大は、2013年8月9日ソフトバンク戦で勝利を挙げ、開幕からの連勝を「17」とし、斉藤和巳(当時ダイエー)が持つNPBシーズン連勝記録を更新。その後も24連勝まで記録を伸ばした。
 
 同年の8月16日西武戦では、昨年から続く連勝記録を「21」とし、松田清(当時巨人)、稲尾和久(当時西鉄)が持つNPB通算連勝記録も更新。最終的に28連勝を記録した。
なお、「1レギュラーシーズン24連勝」、「レギュラーシーズン28連勝」「(ポストシーズンも含めた)30連勝」は、ギネス世界記録にも認定された。
 
 2013年の田中は、開幕前に行われた第3回WBC日本代表に選出。疲労を考慮され、開幕投手を回避した。本拠地開幕戦となった4月2日オリックス戦でシーズン初登板を果たし、7回1失点で勝利投手となった。4月は4試合(29回)に登板し、3勝、防御率1.86を記録。5月は5試合(38回)に登板し、1完投を含む4勝、防御率2.13を記録し、月間MVPに輝いた。
 
 6月は圧巻の投球を披露した。4試合(32回)に登板し、1完封を含む3勝、防御率は驚異の0.28を記録。4試合中3試合で無失点、6月の自責点は僅か「1」だった。
 
 7月は4試合(35回)に登板し、4勝、防御率0.77、1完封を含む3完投を記録。シーズン連勝記録、通算連勝記録を更新した8月には、5試合(38回)に登板し、1完投を含む5勝、防御率0.95を記録した。苦しい夏場の時期にもその投球でチームを牽引。多くの完投数を記録し、ブルペン陣の負担も軽減した。
 
 9月も安定した投球で連勝記録を伸ばし、23勝0敗で迎えたシーズン最終登板の10月8日オリックス戦。初回に先制点を許すなど、序盤に2失点を喫する苦しい立ち上がりとなったが、3回以降は立ち直り、7回2失点(自責点1)に抑えた。見事勝利投手となり、シーズン24連勝を記録。無敗でシーズンを終えた。
 
 また、9月26日西武戦では9回に登板し、1回を無失点に抑え、シーズン初セーブを記録。チーム初のリーグ優勝を達成し、胴上げ投手となった。
 
 ポストシーズンでもエースとしての投球を続けた田中。巨人との日本シリーズ第6戦では同年初の黒星を喫したが、第7戦の9回に登板し、1回を無失点に抑え、セーブを記録した。チームは悲願の日本一に輝き、田中自身はリーグ優勝時に続いて、胴上げ投手となった。

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