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ジョンソンの野球人生はいつも“足し算”。フォア・ザ・チームの合理主義者が日本で成功できた理由とは――カープ70年の歴史を支えた外国人選手

カープ戦実況歴20年、長年カープを見てきた中国放送(RCC)アナウンサー・坂上俊次氏の新刊『「育てて勝つ」はカープの流儀』からカープ外国人選手の全力プレーの歴史に迫った第8章「70年の歴史を支えた外国人選手」から一部抜粋で公開です。

2020/04/22

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紆余曲折経て掴んだメジャーデビュー

 野球人生は平坦ではなかった。2006年、ボストン・レッドソックスに指名されたものの、なかなかメジャーへの昇格は叶わなかった。ジョンソンは、2011年途中からアメリカ独立リーグへ活躍の場を移した。これが転機だった。
 
「それまでは、ある意味でストレスを感じながら野球をしていました。メジャーを目指して、楽しむことよりプレッシャーを感じる時間のほうが長くなっていました。それが、独立リーグでやるうちに、野球を楽しむ感覚を思い出せました」
 
 野球への思いを再確認し原点に立ったジョンソンは、2011年冬にパイレーツとマイナー契約を結び、ついに2013年にはメジャーデビューも果たした。
 
 この逸材をカープのエリック・シュールストロム駐米スカウトは見逃さなかった。
 
「2013年ごろから彼を見てきましたが、日本で成功することは容易に想像できましたね。高さ、角度にも特徴がありました。バッターの反応を見ていても、いいピッチャーだと思いました」

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