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セ・リーグ“弱点ランキング”。オフに効果的な対処を行ったのはどの球団?【データで解く野球の真実】

プロ野球は2月1日にいよいよキャンプインを迎える。開幕が近づくのにあわせ、各球団の陣容もほぼ固まってきたように見える。今回は各球団が昨季抱えていた弱点に対し、このオフにどのような対処を行ったかをおさらいし、評価していく。今回はセ・リーグ編だ。

2020/01/30

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最下位ヤクルトは課題が山積。すべてに対処するのは難しかった

○ワースト2位 ヤクルトの三塁 -29.8
 
 ヤクルトの三塁が-29.8でワースト2位となった。この問題は同じく-17.4点のマイナスになっている遊撃とあわせて考える必要がある。昨季のヤクルトはシーズンを通して、三塁・遊撃ともにレギュラーが定まらず、複数人の若手内野手を日替わりで起用するような状況が続いた。だがシーズン終盤に廣岡大志が遊撃手として台頭。レギュラー獲得に向け明るい材料を見せた。
 
 しかし廣岡は守備面に不安があるため、できれば三塁で起用したい選手だ。この状況でチームはMLBで遊撃手としてゴールドグラブ賞の受賞経験もあるアルシデス・エスコバーを獲得。遊撃を補強することで廣岡を三塁にまわし、間接的に三塁の補強も行ったような形になった。ただエスコバーはすでに33歳と遊撃手としては高齢だ。昨季はMLBに一度も昇格できていない中での獲得は、ややリスキーにも思える。もしエスコバーが定着できなければ、廣岡を遊撃に戻すことになり、三塁が再び弱点になることも考えられる。
  
 
○ワースト1位 ヤクルトの右翼 -39.0
 
 セ・リーグで最も大きな弱点はヤクルトの右翼だった。昨季は雄平が多く守ったポジションだが、リーグ平均に比べ-32.0点と大きなマイナスを計上した。雄平の打撃成績を見るとそれほど悪いようには見えないが、守備面で-14.2点と失点を大きく増やしてしまった。また他球団の外野手が軒並み打撃面で好成績を残し、平均が上がったこともマイナスが膨らむ要因となっている。
 
 補強に動きたいところだが、チームはすでに挙げた投手陣や遊撃手の補強にリソースを割いたせいもあってか、右翼手にまで手をつけられていない。しかもこのタイミングで左翼手のウラディミール・バレンティンが退団。ファームで圧倒的な成績を収める塩見泰隆ら若手を据え右翼の弱点を塞ぎたいところだったが、バレンティンが抜けた外野の一枠を埋めるので精一杯だろう。手は打てておらず、今季も同じように弱点になる可能性がある。
 
 こうして見ると、ヤクルトは右翼手の補強こそできなかったが、先発、三遊間という大きな弱点に対し、着実に手を打ってきた。ただ的確な補強を行ったからといって弱点が埋まるとは限らない。手を打たなかったにもかかわらず若手の成長で弱点が埋まることもある。シーズンでどうなるかは現時点では読めない部分も多い。これらのポジションがどのような成果を残すか、新シーズンでぜひ注目したいポイントだ。
 
 
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