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西武の新助っ人スパンジェンバーグをデータ分析 最適は「9番・二塁」?元有望株の能力開花なるか

2019/12/08

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左右の投手に対して分かれた相性。カウントは追い込まれる前に勝負を

 埼玉西武ライオンズが6日、前ミルウォーキー・ブリュワーズのコーリー・スパンジェンバーグ内野手と来季の契約を結んだ。かつてドラフト全体10位指名を受けた有望株は、どのような素質を持った選手なのだろうか。詳細なデータとともに考察しよう。
 
 28歳のスパンジェンバーグは、インディアナ州立大時代の2011年にサンディエゴ・パドレスからドラフト1巡目(全体10位)指名を受けて入団。マイナーリーグ、メジャーリーグを通じて内野では二塁、三塁、遊撃、外野では左翼、中堅、右翼を経験し、ユーティリティー選手としての多彩な起用に対応した。
 
 2014年にメジャーデビューを果たすと、翌2年目には108試合に出場。2017年には自己最多の129試合に出場して打率.264、13本塁打、46打点とキャリアハイの成績をマークした。
 
 しかし、2018年オフにフリーエージェント(FA)となり新たに契約したブリュワーズでは32試合の出場にとどまり、打率.232、わずか2本塁打、10打点。主に過ごしたマイナー3Aでは113試合で打率.309、14本塁打、62打点と活躍したが、メジャー球団から再契約の話はなく戦いの場を日本に移すことになった。
 
 メジャー通算成績は419試合で打率.256、29本塁打、119打点、34盗塁、99四球、374三振、OPS(出塁率.315+長打率.389).704。打率はさほど高くないが、パンチ力と守備面でのユーティリティー性は日本でも大きな武器になるだろう。
 
 また、メジャー通算での詳細なデータを見ていくと、さらにスパンジェンバーグという男の特性が見受けられる。まず、左打者として左右の投手に対する成績の差は小さくない。
 
対右投手:1063打席 打率.269、24本塁打、93打点、80四球、265三振、OPS(出塁率.328+長打率.416).744
対左投手:317打席 打率.212、5本塁打、26打点、19四球、109三振、OPS(出塁率.269+長打率.299).568
 
 打率では5分以上、総合的な攻撃力を示すOPSでは.176の差がついている。ちなみに今季は右投手に打率.244だったのに対し、左投手には.176と通算成績より大きな差がある。
 
 そしてカウント別の成績では、初球が打率.365、ボール先行で打率.328、ストライク先行で打率.177、平行カウントで打率.285。ストライク先行での打率が極端に低く、積極的な攻撃で結果を残してきた選手だと言えるだろう。

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