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「日ハムっぽい」侍ジャパンで特徴が輝く、3番・近藤健介の起用【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#114】

「日ハムっぽい侍」の首脳陣で構成される稲葉ジャパンで、ファイターズから唯一選出されたのが近藤健介だ。プレミア12では3番を任されているが、コンスケらしい役割でチームに貢献している。

2019/11/09

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コンスケの役割は繋ぎ

 ファンの間では「コンスケ」で通ってるから以下、コンスケと書く。もっともこれまでは田中賢介の存在があり、「健介=ケンスケ」と呼べない事情があった。来年からはどうなるのだろう。コンスケのすごさは追い込まれることを苦にしないところだ。苦にしないどころか2ストライクに追い込まれたほうが次の一球に集中できるのだという。打席では縦に身体を揺らしながら待つ。で、天才肌だと思うのはバットを振らないでボールを見極めるところだ。普通は振らないと身体がほぐれない。あれは相手投手はプレッシャーだと思うのだ。とにかくじっと見る。懐が深いからボールを最後まで見る。で、どうかすると一度もバットを振らずに四球で歩く。
 
 プレミア12では、ストライクゾーンのわからない国際試合、初見の外国人投手、と不安要素だらけじゃないかと思うのだが、スタイルを全く変えなかった。で、初戦から4四球だ。仕事をした。これは稲葉監督もチームメイトも心強かったと思うのだ。ニコニコ微笑みながらさらっと大仕事をしてしまう。すごくいいキャラクターだ。まぁ、ドカベンで言ったら殿馬タイプかなぁ。
 
 いい仕事だったなぁと思ったのは第3戦・台湾戦の先制点だ。1回2死、3番バッターだからもちろん走者なしでコンスケは打席に立っている。相手投手からしたら何でもない場面だ。が、フルカウントまで粘られ四球、1塁ランナーとして出すとしきりにスタートを切る素振りを見せ、プレッシャーをかけてくる。で、パスボールで2塁に進むのだ。2死走者なしの何でもない場面が一転、2死2塁で4番鈴木誠也という大ピンチに化けてしまう。鈴木誠也は左中間を真っ二つに割り、タイムリー3ベースだ。2死3塁とピンチが続く。吉田正尚にもタイムリーが生まれ、あっという間に2点先制!
 
 もちろん侍ジャパンはいいバッターが目白押しだから、火がつけばどこからだって点が取れるのだが、その着火点というのか繋ぎの役割をコンスケが果たしたと思うのだ。そして今年、ファイターズ打線はあまりうまくいったと言えないのだが、本来の「繋ぎの野球」というのは、こうして相手投手にプレッシャーをかけ続けるものだ。プレッシャーは西武打線のような強打者が並んでなくても、仕事をすることでかけられる。相手投手に神経をつかわせ、力を殺(そ)いでやればいい。
 
 稲葉監督をはじめ「日ハムっぽい侍」の首脳陣はコンスケの特徴をよく知っている。その特徴を生かしたチーム編成だと思うのだ。スーパーラウンドの戦いも期待している。

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