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野球少年・少女のケガ予防を――横浜DeNAベイスターズが取り組むコンディショニングセミナー

横浜DeNAベイスターズは、日頃から野球普及の活動に力を注いでいる。その一環として今夏に開催された指導者と保護者対象の子ども向けのコンディショニングセミナーは好評を博した。

2019/10/21

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横浜DeNAベイスターズ



ジュニア世代の育成で大切な視点

 昨今、ジュニア世代の投球制限について議論されているが、塚原氏いわく投球制限以前に、正しい姿勢や可動域の確保といった身体の機能面、それに付随し正しい投球フォームを身に付けなければ怪我は減らないという。
 
 セミナーではその点について親はどのように子どもをサポートしていけばいいのかレクチャーされた。
 
「ポイントは二つあって、まず親がしっかりと見て伝えてあげること。正しい動作を覚えるには、正しい動作を反復しなければいけません。子どもたちは自分で自分の動きを客観視できませんから、親が見てジャッジメントしてあげる。もうひとつは、子どもにはそれを繰り返す継続的な集中力はないので、親が背中を押してあげる。また、最近はゲームやスマホの影響もあり猫背やストレートネックの子どもたちが非常に多くなっているので、正しい椅子の座り方など初歩的な部分から取り組むことが大事になってきます。子どもたちにとって親の影響は大きく、大人がいい見本を見せれば子どもは真似をしてくれます。行動科学の世界では、人の習慣を変えるのは環境だといわれています。そういう意味から親がしっかりと手本を示す必要性はあると考えられます」
 
 親が正しい知識を身に付け、行動として示し、子どもに還元する。野球をする以前のケアや日常生活こそが、ジュニア世代の育成のカギになるはずだと塚原氏は語る。
 
 好評を博しているこのセミナーは今後も継続していく予定だ。
 
「今回はテキストや動画を使ったもので伝えづらい部分もあったので、今後はウォーミングアップや身体作りなど実技も含めて、より充実させた形でやっていきたいと思います。本当、子どもたちに怪我だけは絶対にさせてはいけない。限りなくゼロに近づけられるように球団として今後も積極的に取り組んでいきたいと思います」
 
 野球を楽しむ子どもの将来を考え、また正しいサポートをしたいと思っているのであれば、ぜひセミナーを受講することをお勧めしたい。

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