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ナゴヤドームは”鬼門” オリックス、新・勝利の方程式のカギは岸田にあり【どら増田のオリ熱コラム#41】

森脇監督休養により、残り試合を任された福良監督代行。ジャイアンツ戦のサヨナラ負けから、ついにリリーフ陣の配置転換に踏み切った。ストッパーとセットアッパーの入れ替えだ。チームはこれで連勝をおさめたが、昨年オリックスが躍進した最大の要因は、中継ぎ、抑えを含めたリリーフ陣が安定していたからだ。そういう点でいうならば、やはり岸田の復調なくして、勝利の方程式は機能しない。

2015/06/08

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平野佳寿と佐藤達也の配置転換で連勝

 3日の巨人戦で救援に失敗した平野佳寿をストッパーから降格させることを明言していた福良監督代行は、中日戦の初戦で好投を続けていた先発のルーキー山崎福也が大島にホームランを浴びると、6回から塚原、7回に平野佳寿を投入した。

 そして8回、岸田を登板させた。
 岸田は先頭のエルナンデスをサードライナーに打ち取ると、代打の小笠原にレフト前に運ばれる。続く大島のセカンドゴロは進塁打になり、ツーアウト2塁のピンチで、荒木に代わって”天敵”森野が登場。

 ここで森野は敬遠。ルナをライトフライで打ち取り、何とか凌いだ。
 チームは新ストッパー佐藤達也が完璧な投球を見せて連敗を止める。翌日はエース金子千尋の好投に打線も応えて、ナゴヤドームでは2008年以来7年振りの連勝を飾った。

 今季初の同一カード3連勝をかけたナゴヤドーム最終日。先発の西勇輝が先週に続いて安定した投球を見せると、3連戦で復調の兆しが見え3番に復帰した糸井がライト上段に特大ホームランを放ち、3連勝が見えて来た矢先、西が和田に2ランホームランを浴びてしまう。
 1点差を守るべく7回は前日に引き続き、平野佳寿が圧巻のピッチングを見せ3人で打ち取ると、8回に岸田が再び登場した。

 先頭の荒木にレフト前にヒットを許すとさらに盗塁も許してしまう。大島に2日連続の進塁打を打たれ、代打の小笠原の犠牲フライで同点。さらに平田に右中間を破る2ベースヒットを打たれ、ここで塚原にマウンドを譲った。その後、バッテリーミスで勝ち越しを許し、オリックスは同一カード3連勝とはならなかった。

岸田護ナゴヤドーム交流戦(対中日)通算成績
7試合 6回 0勝3敗 防御率7.50 被本塁打5

今季成績(6月7日現在)
15試合 17回2/3 1勝2敗 防御率5.60 被本塁打1

 オープン戦途中での怪我の影響もあり、出遅れてしまった岸田だが、4月28日の今季初登板では4連打3失点を喫してしまう。その後も球が高く、得意のスライダーが甘く入り、簡単に外野に運ばれ失点に繋がる場面が多く、岸田ならではの重みがある投球がなかなか見られていない。今季に関してはナゴヤドーム以前の問題のようにも思える。

 今回の配置転換により、塚原や海田が6回または延長回、平野佳寿が7回、岸田が8回、佐藤達也が9回を投げることになった。平野はまだ球が甘いものの、セットアッパー時代を彷彿とさせる勢いで乗り切っているし、ポーカーフェースだった佐藤達也は、野性味溢れる気迫を前面に出し、序盤の不調が嘘のような投球で相手打線をねじ込んでいる。ここに今季から覚醒した海田、塚原、白仁田、そしてマエストリに、岸田が復調すれば昨年以上のリリーバーが誕生する。比嘉もようやく2軍で投げ始めた。

 岸田が”8回の男”になった時、オリックスは打ち崩せないチームになる。

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