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今季初登板KOの内海哲也 元エース、ローテ枠奪還へゼロからの再出発

内海哲也にとって今季初登板はほろ苦いものとなった。5失点KOで2軍再調整。ジャイアンツ先発陣の柱としてけん引してきた男は、再び2軍から先発ローテーションの一枠を奪いにいく。

2015/06/06

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10年前の頃のように

若手、ベテラン、助っ人、左右投手がバランス良く配置された理想的なローテーション。
皮肉にも、内海哲也がベースを作り上げた最強先発陣が実現した時に、内海本人の姿はそこにはなかった。
新人も助っ人もなじみやすい風通しのいい巨人投手陣のベースを作り上げたのは、背番号26の功績が大きい。
だが、内海本人にとってはその環境は必ずしもプラスとは言えないはずだ。
菅野とのエース争いと言っても、男が7学年下の相手に仕事で直接的なライバル心を燃やすのは難しい。
下手したら、内心どこかで組織の将来のためにジブンが引いたほうがいいのかもなんてエクスキューズすらできてしまう。
2つ年上の杉内とは投球スタイルが全く違うし、残してきた実績もライバルと呼ぶには偉大すぎる。
つまり、ずっと戦うべき相手のいなかった男は、怪我をした自分自身と闘っていたわけだ。

今のリーダー内海、数年前のエース内海も悪くはない。
でも、個人的な好みを言えば、10年前の何者でもなかった頃の内海哲也が好きだ。
守るものなどなにもなく、チームのことなんか考えずに自分が成り上がるために投げていた、あの頃のハングリーな内海が。
現実的に見て、内海が再び1軍復帰する時は、誰かの故障の代役か連戦時のローテの谷間を争うことになるだろう。
イスは用意されているわけじゃない。
このガチンコサバイバルが内海にとって、転機になることを願う。
エースを守ろうとしていた男が、久しぶりにローテを奪いにいく。
実績なんて関係ない。文字通り、ゼロからの再出発。

東京ドームには背番号26のレプリカユニフォームを着た多くのファンが集結していた。
みんな待っている。

今一度這い上がってこい、内海哲也。
あの頃と同じように。

See you baseball channel……

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