“オール横浜”の新グッズが生み出す価値――横浜DeNA、福祉障がい者施設との協業の背景
横浜DeNAベイスターズが販売した革小物製品と帆布製品が好評だ。じつはこれらの商品は、横浜市内にある福祉障がい者施設の利用者の方により手作りで製造されているものだ。
2019/05/17
“安価でないと売れない”を覆す
彼らの作った製品は販路も乏しく、また適正価格とは言えないものだった。
「考えたのは、横浜DeNAベイスターズの製品として販売すれば、見合った商品価格を設定でき、適正な対価をお支払いすることができるのではないかということでした。また横浜市内の作業所ですからDeNAベイスターズのファンや実際にスタジアムに足を運んでくださっている利用者の方もいらっしゃいます。そこでチームの商品にたずさわることで利用者の方々のモチベーションにもつながるのではないかというお話もさせていただきました。もちろんボランティアではなく、いちビジネスパートナーとして一緒に商品を販売していくということで、先方にはクオリティにこだわっていただいて、弊社としても妥協せずに協業させていただきました」
こうして“オール横浜”という付加価値がついたハンドクラフト商品は誕生した。
障がい者の方々の社会参加の機会の拡大・自立の促進を図るという意味においても、また球団にとっても新たなビジネスモデルを確立するきっかけとしても、この協業は非常に価値のあるものだと言っていいだろう。
「これをきっかけに施設のことを知っていただき、弊社からだけではなく、他の業者さまからも施設へ商品製造の依頼などがあればいいなと考えています。そうすれば横浜全体がもっと盛り上がっていくでしょうし、我われとしても地域貢献できればプラスになると思っています」
手作りゆえに数が少ないということもあるが、冒頭で述べたよう非常に人気がある商品で、帆布のバッグなどは入荷するとすぐに売り切れてしまうそうだ。
近日中には、新商品が発表される予定だという。果たしてどんなハンドクラフト製品が発売されるのか楽しみにしたい。