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【データで選出3・4月月間MVP】月間36四球のヤクルト・山田哲人がダントツの貢献。投手の最高評価はオリックス・山本由伸

2019/05/08

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出塁+走塁で圧倒した山田哲。柳田はわずか9試合の出場でランクイン

 評価には(1)セイバーメトリクスの一手法を用いて選手のはたらきを得点換算し、(2)同じ出場機会を「平均的な成績の選手」が担った場合のはたらき(得点)を基準(=0)に置き、どれだけ上積みをつくったかという推定値を算出して行った。「平均的な成績に対して大きな差をつくり」、また「その状態で多くの出場機会を重ねていく」ことで増えていく数値なので、質と量、両面での貢献を見ることとなる。図中の[]で囲んだ項目でグラフが右に伸びているものはリーグ平均以上、左に伸びているものは平均以下だった数値だ。
 

 
 まず野手から見ていく。パ・リーグは森友哉(西武)、セ・リーグは山田哲人(ヤクルト)がそれぞれ17.1点、26.3点と最高の貢献を果たした。山田哲の26.3点は2位以下に倍以上の差をつける圧倒的なものだった。
 
 山田哲が大きな差をつくったのは打撃だ。3・4月の打撃成績を得点に換算すると、平均的な打者と比較して18.8点も得点を多く生み出していたことになる。中でも.523を記録した出塁率は圧巻だ。3・4月の四球数は36個。NPB全体で2位の鈴木誠也(広島)が22個であったため、山田哲の四球数がいかに図抜けていたかがわかる。これに加え9盗塁をすべて成功させるなど、走塁面でも他選手を突き放した。
 
 ほかにパ・リーグで注目したいのは柳田悠岐(ソフトバンク)。故障により3・4月はわずか9試合の出場だったがその活躍は強烈で、パ・リーグ野手5位の貢献度を示した。
 

「捕手である」ことで評価を高めた森と梅野

 守備評価には同じイニングを守った平均的な同ポジション選手と比較してどれだけ失点を防いだかを表すUZR(Ultimate Zone Rating)を使用する。しかしUZRは同ポジションの選手との守備を比較する指標であるため、今回のように異なるポジションの選手を比較する際は、ポジション間の補正を行う必要がある。一般的に高い守備力、もしくは独自性のあるスキルを要するポジション(遊撃手や二塁手、捕手など)を守った選手はプラスに補正をかけ、その逆のポジション(一塁手や左翼手など)はマイナスの補正をかけるといった具合だ。この守備位置補正をUZRに加えたものが守備貢献となる。
 
 守備貢献では梅野隆太郎、森友哉の捕手勢が良い値を残している。それぞれ盗塁阻止率で.563、.367と高記録するなど好プレーを見せていたが、それと同時に捕手であることによる補正で大きなプラス評価を得た。ほかには菊池涼介(広島)、山田哲、茂木栄五郎(楽天)など、二遊間を守る選手が高い貢献を残していたようだ。

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