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DH制は必要?不要? ナ・リーグ導入検討に賛否の声、機構・選手・ファンの妥協点は

2019/02/07

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 米大リーグ機構と選手会が、ナショナル・リーグに指名打者(DH)制を導入することを検討していると、米メディア『MLBネットワーク』のケン・ローゼンタール記者が5日(日本時間6日)、報じた。これを受けて米公式サイト『MLB.com』が6日(同7日)、その賛否を伝えている。
 
 アメリカン・リーグでは、1973年から採用されているDH制。野球ファンからは、賛否いずれの声も見受けられる。
 
 ナ・リーグに導入することに賛成する意見としては、まず、多くの投手が打撃を得意としていないことが挙げられる。お金を払っているのだから、投球も打撃も常に一流のプレーを観たいというファンの心理だ。また、DHの役割によって、ア・リーグのアルバート・プホルス内野手やネルソン・クルーズ外野手のように、ベテランになったスター選手を観る機会が増えることも期待できる。
 
 一方、反対意見としては、投手の打席が観たいという声が大きい。投手が打席で活躍すると、野手よりも球場のボルテージが一気に高まることがある。バートロ・コローン投手が42歳でメジャー初本塁打を放った瞬間や、ダルビッシュ有投手が、リーグ優勝決定シリーズの、2点リードで迎えた6回2死満塁の場面で、貴重な追加点となる押し出し四球をもぎ取った瞬間など枚挙にいとまがない。
 
 さらに、DHの無いナ・リーグでは、投手交代のタイミングが非常に重要だ。調子のいい先発投手にチャンスで打席が回ってきたときなど、監督の手腕が問われる部分が増え、ゲーム性を増す一助となっている。
 
 また、DH制はファンにとってだけではなく、選手にとっても大きな意味を持つ。
 
 投手にとっては、打席に立つ負担が減り、死球や自打球などのリスクを回避できるが、相手投手も打席に立たないため、より多くの野手と対戦することになる。野手としては、打撃に特化した選手でも先発できることや、同ポジションの選手を併用できる枠が生まれるが、控え選手にとっては、途中出場の機会が減るという不利益もある。
 
 DH制に統一するのか、現行のままでいくのか、はたまたDH制を廃止するのか。新ルールの動向は、今後も注目だ。

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