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グッズを通じてファンの日常生活の中に横浜DeNAベイスターズを――目指すはブランドの浸透とクオリティーの向上

球団にとって「グッズ」は貴重な収入源。DeNAベイスターズのグッズも多種多彩で、そこには担当者の様々な思いが込められている。

2019/02/07

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チームのブランドを作る

 昨シーズン中に発売された新たな球団グッズの種類は、なんと約1万点以上。ユニフォームやTシャツなどは異なるカラーやS~Lといったサイズ違いも含めるが、きわめて膨大な点数と言えるだろう。ホーム開催日のある期間は毎週のように“横浜ブルー”を基調とした新しいグッズが次々と発売され、それを購入したファンは横浜スタジアムを青く染める。
 
「ハマスタにいらっしゃるお客さまはリピーターの方も多いので、常に新しいものをお見せしたいと考えているんです」
 
 こう述べるのは横浜DeNAベイスターズの事業本部MD企画グループでグッズの開発を担っている萬年秀平さんだ。
 
 言うまでもなく、どの球団にとってもチームにまつわるグッズというのは、大きな収入源だ。DeNAベイスターズは現体制となった2012年シーズン以降、グッズ開発に力を入れ、具体的な数字は示してはいないが、常に前年比を超える収益を出し、右肩上がりに急成長している。
 
 そのラインナップは多種多彩。常に売り上げ上位のユニフォームを中心に、Tシャツなどのアパレル、応援グッズ、キャラクター商品、おもちゃ、雑貨、生活用品、DVD、CD、食品、他業種とのコラボレート商品など身の回りのものをすべてベイスターズグッズにすることが可能なほどの品揃えだ。
 
「ハマスタだけでなくファンの方々の日常生活の中に横浜DeNAベイスターズがある、ということを意識して商品開発しています」
 
 萬年さんはそう語り、つづけて商品開発のコンセプトを教えてくれた。
 
「まずはチームのブランドを作るということ。例えば広告はブランドを作る上で一番わかりやすい発信方法なのですが、一方でお客さまの手元に残るのはグッズになるので、そこは強く意識しています。あとは例えばアパレルや雑貨などは通常のマーケットでお客さまが買われたものよりも満足していただけるような商品作りを心がけています」
 
 目指すはベイスターズブランドの浸透とクオリティーの向上。応援はもちろん商品によっては日々のスタイルにも十分耐え得る商品作り。萬年さんの部署では、DeNAファンだけではなく、すべての野球ファンをターゲットにしたライフスタイルショップ『+B』の商品開発も行っている。

 
「企画グループには、ファッション業界や広告業界出身といった他分野からの人材も在籍し多角的にアプローチができるようになっています。野球だけではなくファッションやアニメ、音楽といった最新のサブカルチャーに対し常にアンテナを張り、意見交換しています」
 
 その多岐にわたる商品開発において、昨シーズン、予想もしていなかった売り上げをあげた商品があるという。DeNAベイスターズは昨年、横浜駅西口ジョイナスに『BAYSTORE』というグッズショップをオープンしたが、そこでは巾着やがま口ポーチ、メガネケース、印鑑ケースといった“和小物シリーズ”が女性を中心によく売れたという。
 
「店舗がショッピングセンターにあるということで応援グッズとは別のカテゴリーに力を入れたのですが、手に取りやすいプライスラインということもあり、ふらっと立ち寄った際に購入いただけたようですね」
 
 熱心なファン以外の人たちも多く行き来する場所ということもあり、ハマスタとは売り上げの傾向が異なる面もある。これは既存の枠組みに縛られることのない新しいビジネスのチャンスがあることを示してくれた。

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