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【プロ野球2018年総括】ソフトBは故障者続出も若手台頭。ヤクルトは青木加入、救援陣奮闘<ソフトバンク・ヤクルト>

2018/12/27

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 2018年シーズンを終えた各球団は、来季に向けた補強に乗り出している。フリーエージェント(FA)権を行使した5選手は、交渉を終え来季の居場所を決めた。また、ドラフト指名選手たちも入団発表を終え、プロへの第一歩を踏み出した。
 
 12球団総括の第5回は、福岡ソフトバンクホークスと東京ヤクルトスワローズだ。
 

福岡ソフトバンクホークス

 2年連続日本一に輝いたものの、リーグ優勝を逃す悔しいシーズンとなった。シーズンを通して苦しんだのは故障者の続出だ。
 
 昨季のブルペンを支えた岩嵜翔とサファテが相次いで離脱。打線の方ではシーズン中に2000安打を達成した内川聖一、デスパイネの主軸2人が戦列を離れた。今宮健太、中村晃らも登録抹消があり、シーズン終盤には牧原大成が重症を負うなど、まともに戦力を整えるのに苦労した。
 
 そのなかでチームを支えたのは、打者では主砲・柳田悠岐と若手のホープ上林誠知、投手ではクローザーを務めた森唯斗だ。
 
 柳田は開幕から好スタートを切ると、打率・出塁率でリーグトップの成績を残し、同時に30本塁打100打点を達成(最終的には36本、102打点)した。シーズン終盤に打撃練習中の打球が当たって登録抹消となったが、ポストシーズンを含めて、断トツの存在感を誇った。今季から加入したキューバ出身助っ人グラシアルとのコンビは相手に脅威を与えた。
  
 上林は開幕当初こそ8番スタートだったが、徐々に打順を上げていくと、シーズン終盤には1番を任されるようになり、チームの中心を担った。打率は.270ながら22本塁打をマーク。また、三塁打は両リーグトップの14本とダイヤモンドを駆け回った。松田宣浩とともに全試合出場を果たし、けが人が続出するチームを救った。
 
 そのほかで、中村晃が渋くチームの勝利に貢献し、甲斐拓也は日本シリーズMVP。けがの今宮の代役を務めた西田哲朗や髙田知季などもうまくチームをカバーした。
 
 投手陣は先発の頭数を揃えるのに時間がかかったものの、前半戦を石川柊太が引っ張ると、エース格の千賀滉大、東浜巨が続々復帰。途中加入のミランダらがローテーションを形成した。
 
 一方で、ブルペン陣を再編成し、とりわけサファテに変わってクローザーを務めた森は、66試合に登板し、37セーブを挙げてセーブ王にも輝いた。プロ入りから4年連続して50試合登板を続けてきた中での今季の活躍には恐れ入る。石川とともに投手陣を支えた貴重な存在だった。
 
 また、今季ブレークを果たした加治屋蓮はチームトップの72試合に登板。セットアッパーの役割を全うした。左腕の嘉弥真新也は67試合に登板し、ソフトバンクのお家芸であるブルペンの強みは、彼らの活躍によって面目を保った。
 
 とはいえ、レギュラーシーズンを2位でフィニッシュした事実に変わりはなく、それがナインにとって来季へのモチベーションになっているだろう。ポストシーズンでは短期決戦を勝ち抜くうまさ、試合巧者ぶりを発揮して日本シリーズまで駆け抜けたが、常に王者であり続けることを至上命題としているチームからすれば、悔しいシーズンでもあった。
 
 来季は日本ハムや楽天が補強を進めていく中で、特段、オフの動きはないが、チーム内でどう競争力を煽っていくか、注目したい。

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