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【プロ野球2018年総括】開幕前は優勝候補。最下位に沈んだ2球団はFAでともに大型補強<楽天・阪神>

2018/12/20

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 2018年シーズンを終えた各球団は、来季に向けた補強に乗り出している。フリーエージェント(FA)権を行使した5選手は、交渉を終え来季の居場所を決めた。また、ドラフト指名選手たちも入団発表を終え、プロへの第一歩を踏み出した。
 
 今回から6回に分けて、12球団の今季を振り返る。第1回は、東北楽天ゴールデンイーグルスと阪神タイガースだ。
 

東北楽天ゴールデンイーグルス

 昨季は3位だったから、開幕前は優勝候補の一つに挙げられていた。しかし、開幕ダッシュに失敗すると、想定外の低空飛行を続けた。
 
 エース則本昂大が波に乗れず、3本柱の一人・美馬学は故障により離脱した。救援陣も福山博之の不調からブルペン整備に時間を要してしまった。打線も外国人トリオが故障や出場停止などで相次いで離脱。茂木栄五郎や島内宏明も度々、戦列を離れるなど投打ともに苦しい戦いだった。
 
 6月に借金が20に膨らんだところで、梨田昌孝監督が休養。あとを継いだ平石洋介監督代行は、育成に特化して来季への希望を見せてくれたのは大きな収穫だが、開幕前の期待が大きかっただけに、育成を目指すシーズンになるとは誰も予想はしなかっただろう。
 
 その中で孤軍奮闘したのは、投手では岸孝之、野手では田中和基だ。
  
 岸は23試合に登板して11勝4敗。防御率はリーグで唯一の2点台をマークして最優秀防御率のタイトルを獲得した。ストレートのキレが絶好調時に戻り、カーブ、カッター、チェンジアップをうまく散りばめた。チームがうまく噛み合わない中での安定的なピッチングには恐れ入った。
 
 田中和基は、今季からレギュラーを獲得した。開幕1軍を果たすも、すぐに2軍降格。シーズン当初は悩みの渦中にいたが、バッティングスタイルをすり足にしてから覚醒した。もともと足と守備には定評があり、一気に定位置を奪取。2桁本塁打もマークし、頼もしいトップバッターに成長した。
 
 開幕からの低迷は予想外だったが、三木谷浩史オーナーは打つ手が早かった。9月1日付で石井一久氏をゼネラルマネジャー(GM)に招聘。チームの選手層を見極めさせる猶予を与え、戦力の整備を託した。
 
 そのストーブリーグでは、ソフトバンクとの争いを制し、FAで西武から浅村栄斗を獲得。左偏重打線で、ドラフトでも左打者の辰己涼介を1位指名した球団にとって、右打者の軸となる選手の補強は誰もが納得する編成で、期待の声も大きい。移籍4年目を迎える今江年晶、残留が決まったウィーラーや今季2桁本塁打の内田靖人、外野手ではオコエ瑠偉や岩見雅紀など。浅村一人の存在で、一気に右打者の層が厚くなりそうだ。
 
 とはいえ、投手陣の底上げは必要だ。
 
 岸・則本の二枚看板に加え、左腕では辛島航、塩見貴洋といるが、今季17試合に先発した古川侑利、2年目の藤平尚真などはまだ成長途上だ。今季、最年少で100セーブをマークした松井裕樹は、シーズン終盤に先発起用され、来季の役割は未定。ブルペン陣を含めて、投手陣をどのように整備するのか注目したい。

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