大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



制度廃止も揺るがぬベイスターズの礎。高田GMが三原球団代表へ伝えた、背広組の心得

横浜DeNAベイスターズの誕生以来、編成面においては高田繁ゼネラルマネージャー(GM)主導で行われてきた。その高田GMが今季限りで退任。来季はGM制を廃止して、三原一晃球団代表を中心にこれまでの役割を引き継いでいく。三原球団代表に、これからの決意と来季に向けた戦力補強についてお話を伺った。

2018/12/03

text By



基本方針は踏襲していく

 三原代表の来歴を紐解くと、DeNA本社で長年のあいだ人事畑を歩み、2013年1月にDeNAベイスターズへ異動。以来、事業本部長等を務め、2年前から球団代表の要職を務めている。これからはプロ野球OBの吉田孝司スカウト部長、進藤達哉編成部長らとチーム編成、強化に努めていくが、役割分担としてはどのようになっているのか。
 
「基本的に高田GMが決裁していた部分は、私が引き継いでやっていきます。ただ私は野球人ではないので、足りない部分を吉田部長や進藤部長に補って頂きます。じつは今季に関しても、大きな意思決定については高田GMに委ねられた部分もあり、相談して決めてきたことが来季に繋がっていくと考えています」
 
 今季は捕手の伊藤光らをオリックスからトレードで獲得するなど大きな動きがあったが、すでに高田GMから学んだことを実践に移しチーム強化を図っている。あらゆるノウハウを蓄積してきた三原代表だが、いかに有効的な選手構成にするのか、当然ながら難しさを感じているという。
 
「データなどのデジタル的な部分だけで決着のつく世界ではありませんし、環境や人間同士の相性なども出てきます。思い通りにいかないことは多いですが、いろいろなことを検証しながらベストな形を模索していきたい」
 
 以前、高田GMは自身の役割について「メジャーのGMとの一番の違いは、球団経営やお金のことについてノータッチだということ」と述べていたが、補強などの金銭面に関する最終判断は三原代表が担うようになるのか。
 
「そういうことになります。後手にまわらずクイックに決裁するためには社長の岡村(信悟)との密な連携が必要になってくるので、しっかりとやっていきたいですね」
 
 また、これまで球団はマネーゲームには参加をしない意向を示してきたが、この指針は今後も踏襲していくのか。
 
「もちろんです。基本的に高田GMの築いてきたやり方を当面変更するつもりはありませんし、球団としてはこれまでどおりドラフトでいい選手を獲得し、しっかりとファームで育て戦力化していく。この体制を守っていきたいと思います」
 
 三原代表をチーム編成の中心に据え、新たな海原へと漕ぎ出したDeNAベイスターズ。高田GMが残してくれた膨大な遺産を生かしつつ、悲願のリーグ優勝を目指し、チームの可能性を高める試みはつづく。

第2回は、12月6日更新予定です。

1 2