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帰ってきた吉見一起、「ナゴドで圧倒的な貯金」こそ竜のVロード

竜のエースがついに帰ってきた。トミー・ジョン手術から完全復活を目指す吉見一起は、ここまでの登板でわずか1失点と最高のスタートを切った。落合監督時代、ドラゴンズが優勝した年はナゴヤドームでの勝率が圧倒的だった。そして、そこにはいつもエース・吉見の姿があった。

2015/05/03

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「僕は簡単に負けませんから」

これで吉見の今季は4試合に登板して2勝0敗、防御率は驚異の0.33だ。最初と二度目の登板では、翌日に選手登録を抹消して中10日の先発マウンドを踏んだ。今回は抹消せずに中7日での登板での力投。右肘のトミー・ジョン手術の影響で、2013年、2014年と2年通じて1勝しか挙げることができなかったドラゴンズのエースが、完全復活に向けて力強く歩を進めている。谷繁元信監督兼選手は試合後のインタビューで吉見の好投に賛辞を送りつつ、次も登録抹消がないことを明言した。

4位に終わった昨年を振り返ってみると、ホームでは35勝35敗の勝率5割ちょうど、ビジターでは32勝38敗だった。ホームで勝ちきれなかったことが、シーズン通して貯金を作れなかったことに直結している。

しかし、今年は違う。ナゴヤドームには吉見がいる。「ナゴドの吉見」は「鬼に金棒」と同じ意味だ。

ドラゴンズファンなら、今年のホームでの勝ちっぷりから優勝した2010年と2011年の成績を思い出しているだろう。2010年はホームで53勝18敗1分、2011年はホームで44勝22敗6分という圧倒的な勝率を誇っていた。ちなみに、いずれの年もビジターでは負け越している。

敵を自陣に招き入れ、得意の戦術(ロースコアの篭城戦)でこれを討ち滅ぼす。これぞ難攻不落のナゴド城でのドラゴンズの必勝パターンだった。そこで獅子奮迅の活躍を見せていたのが、エースとして君臨していた吉見である。その吉見が、長く苦しいリハビリの日々を経て、ついに帰ってきたのだ。

「僕は簡単に負けませんから」

これは今年の春季キャンプでの吉見の言葉だ。吉見はその言葉どおり、負けていない。敵に勝ち、己に勝っている。今年1年、吉見が投げ続けることができれば――優勝だって夢ではない。そんなことを感じさせてくれた、5月1日のマウンドだった。

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