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開幕から4試合連続QS カープ・ジョンソンが日本プロ野球に適応できた理由

最下位に低迷するカープ。その中で新助っ人ジョンソンが結果を残している。先発陣の中で貴重な左投手は、4月24日時点で先発した4試合すべてでクオリティースタートを記録している。

2015/04/26

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見逃せない、キャンプでの綿密な準備

 今の彼を支える大きなバックボーンに、周到な準備が挙げられる。

 春季キャンプから焦らずにじっくりと投球を作り上げてきたからこそ、開幕後も安定感を誇示できているのだ。

 期待されて入団した外国人選手の多くは、「調子はどうだ?」と聞かれれば「悪くはない」と言い、多くを語ろうとしない。そこにはもちろん、言葉の壁もあるからなのだろうが、ジョンソンの場合は通訳を介してでも現状をはっきりと伝えてきた。

 例えば、初めてシート打撃に登板した際には、こんなふうに自己評価をしていた。

「バッティングピッチャーやブルペンを経ての登板だったが、現時点ではまだまだ初期段階だと思っている。ピッチングについてはまだ何とも言えないが、いい状態ではある。これからも、少しずつ作って次の登板でもいい状態で投げたいね」

 高めに浮く頻度が多い変化球があれば、たったひとつの球種にも修正に力を注ぐ。細かい箇所にまでテーマを掲げ、真摯に向き合い練習に取り組んでいるその姿勢は、沖縄の二次キャンプに入ってからも変わらなかった。
 ここでのシート打撃でも、間近に迫ったオープン戦に備え、ワインドアップとセットポジション、アウトカウントや捕手のリードなど、シチュエーションごとに自分の持ち球を意図的に投げ分けていた。

 地道な作業は自信へと変わっていく。それは、ジョンソンのこの言葉からも窺えた。

「自分のキャンプは順調だと思う。シーズンへ向け、一歩、一歩進んでいる」

 シーズン初登板となった3月28日のヤクルト戦で1安打完封の衝撃デビュー。開幕から早々に広島投手陣の屋台骨を支える存在となれたのは、ジョンソンの周到な準備あってこそ、なのだ。

 5月は鯉の季節。救世主となるであろう左腕の投球が、広島の潤滑油になり、本来の力を取り戻させるはずである。

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