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西武、今季の強さは得点力にあり。特筆すべき機動力、明暗分けた3連戦で生まれたゆとり【小宮山悟の眼】

2018/09/22

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機動力はバッテリーのプレッシャー、配球への影響大

 今年の西武はグリーンライトでどんどん走ってくる選手がそろっている。投手としては、走ってくるぞという雰囲気をいつも感じてしまうのだ。そのプレッシャーで投手はどれほど投げにくくなるか、容易に想像できるだろう。たとえ走らなくても、「走るかも」と考えるだけで、バッテリーにとってマイナスだ。
 
 当然、走者を一塁に置いている状況では配球が偏るということも起きる。勝負所になればなるほど、走られたくないという意識が働くし、遅いボールは投げにくくなる。そして、バッターがそのことに気づけば遅いボールを捨てるようになる。「盗塁するぞ」と思わせることが、配球を偏らせるのである。盗塁という武器を持つことで、いろんなことが絡んでくるのだ。
 
 西武打線には、盗塁リーグ3位の源田壮亮と打点リーグトップの浅村がいる。源田が一塁にいて、打者が浅村であると、ランエンドヒットは警戒しなければいけない。浅村は右に打つのが上手い選手だし、投手からすると、かなり気を遣わなければならない。
 
 天王山3連戦の初戦、5回裏一、三塁の場面があった。一塁走者は源田、打席に立った浅村がインコースのストレートをホームランにしたのだ。おそらく、ソフトバンクバッテリーは右に打たれたくないという考えで、配球を選んだのだろう。インコースのストレートを浅村に投じるのはリスクがあるが、シチュエーションがその配球にさせたのだろうが、浅村はそれを仕留めた。
 
 ソフトバンクの捕手・甲斐拓也は、3戦目で西武の盗塁を4度刺した。それほど肩が強く、投手からすると安心できる捕手だが、そんな女房役がいても投手が思うようにならないことも起きるのだ。

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