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キーワードは「主体性」。オーストラリア球団と提携、DeNAが構築する新しい選手育成システム

今年7月、横浜DeNAベイスターズはオーストラリアン・ベースボールリーグ(以下ABL)のキャンベラ・キャバルリーとの戦略的パートナーシップ締結を発表した。果たしてその締結の狙いとは何か?

2018/09/25

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なぜオーストラリアなのか

 常に時代の一歩先を意識する横浜DeNAベイスターズの新たな挑戦――。
 
 今年7月、DeNAはABLのキャンベラ・キャバルリーとの戦略的パートナーシップ締結を発表した。
 
 オーストラリアと野球といってピンと来る人は多くないかもしれないが、じつは2004年のアテネ・オリンピックでは予選と準決勝で日本に勝利し準優勝を遂げている。また代表選手の多くはMLBの3Aや2Aに所属しており、世界的に見て一定のレベルを有している。
 
 ABLは、2010年に発足したオーストラリア国内のプロ野球リーグであり、全8球団により11月から2月にかけてレギュラーシーズン、ポストシーズンを行っている。キャバルリーは、2012‐2013年シーズンを制した強豪チームである。
 
 DeNAは今シーズン終了後、選手とチームスタッフをキャバルリーに派遣し、チームの一員としてABLの2018‐2019年シーズンを戦うことになっている。
 
 現在DeNAはオフシーズン、台湾のウインターリーグを戦うNPB合同チームへ選手を派遣しているが、キャバルリーを提携先に選んだ経緯も含め、そのあたりの住み分けは果たしてどのようになっているのだろうか?
 
「私たちとしては台湾のように他球団と合同で選手を派遣するだけではなく、独自の方法で選手を派遣しプレーヤーとしての成長を促したいと考えていました。そこで昨年視察したABLのキャバルリーがフィットするのではないかという結論に至り、パートナーシップを締結することになりました」
 
 こう語るのはDeNAのチーム統括本部の萩原龍大本部長だ。
 
「先方の球団幹部といろいろとお話させてもらったのですが、じつはCEOのドン・マクマイケル氏は、元阪神ピッチャーのジェフ・ウィリアムスの叔父で非常に日本の野球に造詣が深い。また事業本部長を務めるダン・アモディオ氏は、アメリカから移住し、プレーヤーやスタッフとしてMLBに携わってきた人物で、日・米・豪の野球に精通していることも判断材料としては大きかったですね。さらにキャンベラという街は首都ということもあり、他の土地に比べ文化的素養が高く治安が良いというのも条件としてプラスになりました」
 
 今後、球団から派遣選手の発表があるというが、やはり台湾同様、武者修行というべき若手選手が中心となるのか?
 
「いや、そうと限ったことではありません」
 
 萩原氏は意外な言葉を口にした。
 
「以前は我われがどの選手を派遣するか検討していましたが、この件に関しては、我われの方から選手に働きかけ“応募”という形をとっています。現状、若手ばかりではなく主力クラスも手を挙げているので、かなり面白い派遣になると思いますよ」

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