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新守護神・澤村拓一、”モヒカン頭”から垣間見る強烈な自己主張

今季からクローザーに配置転換された巨人の澤村が奮闘している。チームは借金を返済。先日はその”モヒカン頭”で物議を醸したが、その強烈な自己主張や我の強さも、野球人・澤村をつくりあげる重要な要素だ。

2015/04/19

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澤村を支える、負けじ魂

 特に今季から担う守護神のポジションは、今まで任されていた先発とはすべてにおいて勝手が違う。だから不慣れな役割をまっとうするためにも、配置転換を言い渡されたオフから澤村は見えないところでプレッシャーにさいなまれながら必死の努力を継続させている。ここで心を折らせてたまるか、負けられるか――そういう思いを常に胸に秘めているからこそ、決して屈することのない強い自分のカラーを打ち出そうとするのだろう。まさに「個性的なキャラ」と「我の強さ」も、ここから生まれているのである。
 
 いわゆる「負けじ魂」の持ち主としても、澤村は巨人の選手の中で文句なしの十傑に入るはずだ。それは彼の真っ直ぐな性格や人物像を見ても、非常によくわかる。中央大学時代には当時の高橋善正監督から「自らがいいプレーをすればチームの勝ちにもつながる」という考えのもとに「自分のために野球をする」という意識を徹底的に叩き込まれ、他の選手に甘えることなく己の手で勝利の道を切り開くことをモットーとした。座右の銘を「猪突猛進」としているのも、この大学時代の恩師の教えが原点となっている。
 
 誰にも負けたくないから自分を磨く努力はいつも怠らない。趣味について問われると、決まって口にする答えは「トレーニング」。恥ずかしげもなく堂々と即答する澤村には突っ込みたくなる人もいるようだが、逆に非常に高いプロ意識を感じる。ウエイトトレーニング理論や筋肉についても澤村は独学で勉強を重ねており、その熱心さには親交のあるレンジャーズ・ダルビッシュ有も感心したほどだ。
 
 そして何と言っても澤村の真骨頂は、闘志をむき出しにしながら打者に全力でぶつかっていく一球入魂のスタイル。マウンドから相手をねじ伏せにかかる投球には、どこか今の世代の選手からはあまり感じられなくなった”昭和の香り”も感じさせる。平均球速147キロの速いストレートを主武器に真っ向勝負するピッチングは、掛け値なしに「シビれさせられる」の表現がふさわしいのではないか。
 
 新人王となった2011年シーズンのように、澤村がジャイアンツの新守護神として光り輝くことを願ってやまない。
 
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