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次代を担う捕手の確立が混セを制すカギ 谷繁監督が松井雅人を起用する理由

4月12日で全6球団がひとまわりの対戦を終え、14日試合前の時点では昨年のA・Bクラスがきれいに逆に並んでいる。例年にない混戦が予想させるセリーグ。その要因の一つに捕手があげられる。中日の谷繁元信監督も、我慢強く松井雅を育てようとしている。

2015/04/14

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福田、亀澤ら新戦力が躍動

 一方で巨人は、小林のバックアップだった相川亮二がケガで離脱すると、不退転の決意で一塁を守ることになったはずの阿部慎之助がマスクを被るという“禁じ手”を繰り出してまで、序盤での躓きを立て直そうとした。

 このような状況だけに、痛い失敗をしながらでも次代を担う捕手が一人前に成長したチームが、今季のペナントレースをリードし、来シーズン、その先と安定した戦いを目指すことができるだろう。それを感じ取っている谷繁監督は、試合の流れが相手に傾きそうな場面でも自らマスクを被ることをせず、経験値では松井雅を上回る武山真吾をうまく絡ませながら後継者に力をつけさせようと腐心する。

 また、和田一浩、山本昌、岩瀬仁紀、川上憲伸と実績豊富なベテランがコンディションの問題で戦列に加われず、打線の軸を担う森野将彦も早々にケガで戦列を離れた。「ベテラン頼り」と揶揄されたチームに風が通る隙間が生まれたことにより、福田永将、福岡ソフトバンクで育成選手だった亀澤恭平、新外国人のリカルド・ナニータらが出場機会を得て必死のプレーを見せる。そうした勢いに小笠原道大や荒木雅博らも乗り、チーム一丸となった戦いができているという印象だ。

 とはいえ、得点源となっているエクトル・ルナやアンダーソン・エルナンデスが好調のままで居続けられることはなく、投手陣も厳しい夏場を乗り切れるかどうかは未知数だ。ドラフト1位入団の野村亮介らの実力派ルーキーをはじめ、開幕一軍を逃した戦力の台頭が優勝争いに加わるには不可欠だろう。

 まずは、セ・パ交流戦を迎えるまで現在のような粘り強い戦いを続けられるか。その過程で、ベテランや新戦力がどこまでチームに刺激を与えられるか。

 落合博満監督が下馬評を覆して優勝した、2004年シーズンに似た雰囲気が強くなってくれば面白い。

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