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中田翔を「別人」へと変貌させた〝人とのつながり〟 ステップアップへ独り立ちの時

日本ハム・中田翔は、10日時点で本塁打と打点の2部門でリーグトップ。日本ハムの首位快走の要因の一つだ。そして中田の好調の要因は、肉体改造の成果のみならず、精神面の成長も大きいのではないだろうか。

2015/04/11

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ベースボールチャンネル編集部



肉体改造にこそ、中田の覚悟が表れている

 日本ハム・中田翔が好調だ。10日現在、打率は.205と低調ながらも4本塁打12打点をマークし、2部門でリーグトップを堅持。主砲として首位快走中のチームを見事なまでの働きでけん引している。
 
 快打を連発させている理由のひとつが、オフ中に取り組んだ肉体改造。昨季の107キロから14キロもの減量に成功し、従来のパワーを保ったまま鋭敏な動きを手に入れたことが大きな話題となっている。
 
「開幕前に100キロに戻そうとも考えたが、今とても動けているから当面はこのままでいく」
 
 そう本人が話す通り、筋骨隆々の肉体にシャープさが加わったことで掛け替えのないプラス効果を生み出し、キレキレのプレーにつながっているようだ。
 
 しかしここまで中田を波に乗らせているのは、単に肉体改造の成果だけではないだろう。その根底には精神的な部分における大きな成長があることも忘れてはいけない。
 
 昨季終了後のオフ、それまで公私に渡ってさまざまなアドバイスを受け、何かと面倒も見てくれた稲葉篤紀氏が現役を引退。同じく中田が慕ってきた小谷野栄一もFAでオリックスへ移籍し、チームを去った。昨季打点王に輝き、25歳の若さで初の個人タイトルを手にした主砲はさらなるステップアップへの試練として〝独り立ち〟の時を迎えたのである。
 
 2015年からはどんなに壁にぶち当たっても一切誰にも頼らず、自分一人で困難を乗り越え、最後まで戦い抜いていかなければいけない――。そういう強い自覚こそがストイックなオフの猛トレーニングにつながった。ガムシャラになってまるで修行僧のように肉体を徹底的にイジメ抜いた結果、プロ8年目で初めてとなる90キロ台の体重にまで絞り込んだのだ。
 
 中田が「別人」になったのは体つきだけではない。今年の春季キャンプから、現在までを見るにおいて立ち居振る舞いには〝自分がチームを引っ張る〟という主砲の意識と威厳が以前にも増してにじみ出るようになっている。

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