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プロ野球「誤審問題」は驚きより呆れ。MLBの判定システム導入が理想【小宮山悟の眼】

プロ野球の審判の判定を巡って、日本野球機構(NPB)が「誤審」を認める事態が続いた。オリックス・バファローズは誤審が発生した試合やり直しを求めたが、NPBは「続行試合を認めない」方針を示し、さらなる波紋が広がっている。

2018/07/05

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再試合の議論はサッカーの事例も影響

 再試合の議論が起こるのは、天皇杯サッカーの誤審も少なからず影響しているのだろう。J1名古屋-JFL奈良クラブ戦において、PK戦で競技規則の適用ミスが発生した。この誤審は、後日PK戦のやり直しを行った。その流れを受けていると言えるだろう。
 
 今後は一層、慎重なジャッジが求められる。
 
 現状、リプレー映像の検証時間は「5分以内」となっている。この制限は取り払われるのではないか。これは取っ払われるのではないか。試合中の検証時間としては適当ではあるが、今回の事態を受けて変更されることは大いにありうる。ケースを受けて変わることは大いにあり得る。
 
 ビデオ判定導入の背景をたどると課題は見えてくる。
 
 もともと、日本はビデオ判定には消極的だった。日本ではすべての球場で同じような条件でのビデオ検証が担保できないと想定されていたからだ。
  
 私も規則委員会に携わっており、議論した事があった。当時、阪神甲子園球場のモニターは小さいという指摘があって、すべての球場が同じ条件にできないのならば、ビデオ判定は導入すべきではないと慎重になっていた。
 
 本塁打かどうかの判定に限定してビデオ判定が導入されることになり、甲子園のモニターは見やすくなった。しかし、日本の球場はいまだに設備に差があるというのが現状だろう。メジャーリーグのように、一カ所でモニタリング出来るように、30球団の本拠地の設備が同様に整っている段階に至っていない。

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